その4 ページ25
｢困りましたね。｣
学園長のその一言はずんと体を重くした。ここに集まった全員は持ち得る知識をフル活用していい解決方法を捻りだそうとするけどなかなか思いつかないようだ。学園内でも高い知識を持つ彼らでさえ思いつかないのだから其れこそ賢者とかでないと分からないのでは、なんて考えてしまう。
｢…そういえば｣
リドル先輩が思い出したように口を開いた。あまり自信が無いのか、続きを口に出すのを渋っている様子だ。
｢昔、とある国の妃が床に伏せていた所あの花を水につけ妃に飲ませるとたちまち回復したという話があるのですが…｣
｢ほーう、続きは？｣
あの気怠け王子が興味深そうに耳を傾けた。他の人達もリドル先輩の話を真剣に聞いていた。そうしてリドル先輩は控えめな口調で話の続きを話し始める。
｢その妃の子供は美しい金色の髪をしていて、不思議な力を持っていたそうです。｣
｢なるほどな、花の力を持って生まれたのか。｣
｢察しの通りです。｣
｢つまり、どういう事です？？｣
話の糸が全く掴めずにいると何処からか溜息を吐く声が聞こえた。
｢つまり、お前がそこのお姫様なんじゃないかってことだよ。｣
唾を吐くように言葉を吐いたレオナさん。しっぽを地面に叩きつけていかにも不機嫌そうだ。いつものしかめっ面が更に怖くなっていた。
｢そ、そんなわけないじゃないですか…はは、ご冗談を！！｣
｢……。｣
空気が重たくなった。ここに居る人達はきっと同じことを思っているんだろう。私が話していた国のお姫様だなんて、あるわけないのに。
｢私、どう……なるんですか？｣
｢良くて【監 禁】、悪くて【実験体】じゃないでしょうか？ま、そんなことさせませんので安心してください！！Aくん！！！｣
真っ正面から笑顔で私にそう言った学園長はどこか楽しそうだ。自分の事じゃないからって楽しそうにしやがってこのカラス！！ジビエ料理にしてやろうかっ！！、ってのはさておき、このままだと私の身が危険だっていうことはよく理解した。
たかが花を光らせたっていうだけでこんな大事になるなんて猿も思わなかっただろう。
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りんご飴(プロフ) - どんさん» 申し訳ありません夢主のイメージは読者の皆様がより楽しく読めるようにお任せしたいと考えています。コメントして頂いたのに御要望に添えず申し訳ないです。コメントありがとうございました。 (2021年6月29日 21時) (
レス) id: 3b5b4953e4 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年6月29日 15時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
Lucia(プロフ) - はじめまして。すごく内容も好きで何度も読んでしまいました。おきにいりもさせていただきました！更新たのしみです！ (2021年4月6日 22時) (レス) id: 3da15bbf48 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ飴 - 名前似てますね！ あっとても面白かったです！！ (2021年2月23日 17時) (レス) id: 77a7bd0b14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご飴 | 作成日時：2020年12月25日 1時
