二十八輪の花 ページ29
Aside
目を開けると、義勇様が微笑んだ。
「…おはよう、A。」
『おはようございます、義勇。』
つられて微笑み、挨拶を交わす。
昨日は、義勇様がずっと私の傍で看病をしてくれたお陰で少し体が軽くなった気がした。
それに…
義勇様が反省して謝ってもらえて安心したし、何より嬉しかった。
私たちの間で柔らかい空間が広がるのは、義勇様が私の行動を監視するようになる前のこと。
あの頃の私は、義勇様のことが少しだけ気になっていたな。
「…Aが寝ている時に……Aが好きな…おはぎを買ってきた…」
「軽い朝食を作ったから…その後に食べるか?」
……でも今の義勇様は…私が好きだった時の義勇様に見える。
『…嬉しいです、朝食を頂いたあとに頂きます。』
-------
『…美味しかったです…おはぎも。』
美味しかったけど、義勇様が
「Aは…まだ病気だ……俺が食べさせる。」
としつこく言うのでしょうがなく従った。
「A…」
『…はい。』
「体を拭いてやるから…脱いでくれ。」
『ふぇ…?…ハッ!……だ…だめです!!』
「昨日は汗をかいていたし、一日経ったのだから着替えないといけないだろう。」
必死に首を振った。
『と…とにかくダメです。自分で体は拭けますし、着替えも出来ます…!、、』
「…しょうがないやつだ。」
ふぅ…と安心した。
「俺から脱がしてやる…」
ど…どうしてそうなるんですか!!!
「後ろから脱がす…前は見ない。」
そ…そうすればいいってもんじゃないです!!!
-------
ピチャ…ピチャ
後ろから上半身を脱がされ、片手で抱きしめられながらもう一つの手でタオルを持ち、背中を拭かれる。
「冷たくないか…?大丈夫か?」
後ろから耳元に近いところで言われたのでまるで囁かれているようだ。
『…………はい。』
義勇様に顔を見られないように必死に前でうつむく。
今の私はきっと顔が真っ赤だ。
早く終わって欲しい。
『…ひゃぁ!』
今の声は誰…?私…??
『ぎ…義勇様、前は自分で拭きますので…』
義勇様が濡らしたタオルで鎖骨の部分から下へ急に動かしてきたのだ。
「………………………………俺がやる。」
やめてと願うばかりだった…
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アイリ - もうこの小説は神ってますね…最強です! (2021年12月11日 12時) (レス) @page11 id: 9da3e59768 (このIDを非表示/違反報告)
kyr - エ…。し、小説書くの上手すぎません?…、とてもとても凄くて、惚れました! (2020年8月2日 9時) (レス) id: 1a9dc60db7 (このIDを非表示/違反報告)
くまん(プロフ) - メロンソーダ大好き人間さん» ありがとうございます! 少しスランプ気味だったんですけど、これから遅い更新になると思いますがよろしくお願いします!☆ (2020年1月22日 0時) (レス) id: 7a77bfda0d (このIDを非表示/違反報告)
メロンソーダ大好き人間 - 初めまして!とても面白いですね!!続き凄く気になります!!ゆっくりでいいのでお願いします!!更新頑張ってくださいね!! (2019年12月9日 20時) (レス) id: 0747bee2c2 (このIDを非表示/違反報告)
くまん(プロフ) - しらとぅさん» しらとぅ様、ありがとうございます! 作者は変態なので 皆さんが引いてしまうんじゃないかと内心ひやひやしながら執筆してます笑 コメントして貰えるのって凄く嬉しいし、ありがたいです(T_T) 感謝… (2019年12月3日 0時) (レス) id: 7a77bfda0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃 | 作成日時:2019年11月11日 21時