センセンフコク/drm ページ1
「男性二人、精製所に入っていきました。A突入します」
「了解、無理はしないで」
「わかりました」
そう返答すると、私はしがみついていたはしごを登り、静かに地面に降り立った。
音を立てないように、そっと扉に近づき――
「…〜!？」
突然背後から羽交い締めにされ、口をふさがれた。扉に意識を向けすぎて周囲への注意をおろそかにしてしまったのが良くなかったか。
1度落ち着いて、頭をひねって私を羽交い締めにしている人の顔を見ると、
「〜、〜？」
ギャング「GOD FAMILY」のボス、だるまさんだった。
彼は私に「ごめん、ちょーっとだけ静かにしててな」といって、私を引きずって精製所の裏まで連れて行き、コンテナに身を隠した。
そしてその瞬間、ドォーン、と中から爆発音がした。
「!？」
調合を間違ったに違いない。でも今更レシピを知らないギャングなんているのか？
ふとだるまさんの顔を見ると、なんと今にも爆笑しそうなのを必死に我慢している。状況がよくわからない。
爆発の後すぐに男達が悪態をつきながら出てきて、車に乗って去って行ってしまった。「許さねえ」「抗争だ」と言う声が聞こえた。
「よし、もうあいつらも帰ったし、はい。Aちゃん悪かったな」
そう言ってだるまさんは拘束を解いてくれたので、ぷは、と思い切り息を吸い、私はだるまさんに手錠をかけた。
「え、ちょっと、なんで？」
「立派な公務執行妨害ですよ。マトリの邪魔したんですから」
「いや、今逮捕されるとまじで困る!お願い罰金払うから許して!」
「ふーん、何かあるんですか？」
「話したら許してくれる？」
「検討します」
そう言うと、だるまさんは計画を話してくれた。
近頃ロスサントスに参入してきたギャングの行動が目に余るため、抗争を起こさせて痛い目にあわせようとしているところらしい。
「それで嘘のレシピ教えたんですか？」
「そう、あいつらOGGは作ったことなかったらしいし」
「じゃあ詐欺罪も追加ですね」
「はああああ!？」
まじで困る、許してくれ、と地面にへたり込むだるまさんを見て、私は少し考えた。確かに、抗争前にボスがいないのは困るだろうからなあ、でも何もなしで解放するのも…そうだ。
「じゃあ、詐欺罪は不問にするんで、抗争起こす場所教えてもらっていいですか」
「取り締まりに来るってこと？」
「はい、頃合いを見て介入します。だから、『気をつけて』下さいね」
意図を理解したのか、だるまさんはニヤッと笑ってうなずいた。
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流 - 見つけたので読んでみたら懐かしくなってロスになってしまいました！凄く良いお話ばかりですね。更新があればkneさんのお話待ってます！ (4月21日 2時) (
レス) id: 3b26bb41f1 (このIDを非表示/違反報告)
lemon - リクエスト書いてくださって本当にありがとうございます！しゃかさんの口調が本当に大好きなので上手くトレースされていてスラスラ引っかかることなく読めました！私が見たかった話そのもので本当にめちゃくちゃ好きです😘 (12月26日 9時) (レス) id: 07a8a3ab03 (このIDを非表示/違反報告)
ねるねる(プロフ) - ありがとうございます!そう言ってもらえるととても嬉しいです! (12月6日 21時) (レス) id: 4974eeeb32 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - 好きです！応援してます！ (11月24日 17時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねるねる | 作成日時：2023年10月22日 22時
