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episode XXXI ページ33

side yuu

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明日、試験の結果が返される。

エースもデュースも、もちろんグリムもなかなかの手応えを感じているらしく自信満々だった。


何処か機嫌がよくて意味も分からずお昼ご飯を3人で奢ってくれた。

最早気持ち悪い。





いつも通り4人で机を囲んで食べているとふと目に付くのはAさん。



マジフト大会でポムフィオーレ寮にお邪魔した時少しの間であったがお世話になった人だ。



驚くほど綺麗な顔をしている。
それこそ人形のような。





エース「あ、A先輩じゃん。」


デュース「相変わらず綺麗だな。」


グリム「アイツ、作り物みたいなんだゾ。」





三者三様。皆が皆Aさんに対してそれぞれの意見を述べる。


ただ、そこには尊敬と崇拝のようなものがありまるで美しい芸術品を見るようだった。





エース「おーい!Aせんぱーい!」





エースの呼びかけに応じるように此方を振り向くAさん。


横顔でも思ったけど本当に整った顔だ。
きっと、どの角度から見ても綺麗なんだろうなと惚けてしまう。





ニコリと微笑んだAさん。

その完璧と言える笑みは何処か憂いを帯びていた。





それさえもひとつの演出のように美しい。

自分の目がキラキラと輝いているのが分かる。




でも何故だろう。



あの綺麗な微笑みに違和感を感じてしまう。





あの人は確かに人間味に欠けていると思う程美しく整っている。まさに完璧な人間。

だけどそれにしてもおかしい。




ひとつひとつの動作がぎこちなく見えるのだ。

何かに操られているような。





だけどそのぎこちない動きも笑みも深く考えなければただただ完璧。


ピンと伸びた背に歩幅も広すぎず狭すぎず、まるでモデルのような歩き方。

口角の上げ方、目じりの下げ方、目の細め方。その全てが恐ろしく整っていた。




怖い。



今まで色々なことがあったけれどこんなにも率直な恐怖は感じたことがなかった。


まるでどんどん人間らしさが消えていくような気がして。
まるで生気が抜けた人形のようになっていく気がして。






カタ、と手に持っていたトレーが音を立てた。


ガヤガヤとしている筈の食堂。





それでもそんな音なんか聴こえなくて。

手元で鳴ったトレーの音が酷く頭に響いた。






手元が震えているのに気がついた。

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夜雨 - 三ページですよ (2020年8月18日 9時) (レス) id: a3c70cbb44 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - 夜雨さん» 報告ありがとうございます!すみません、どこのページでしょうか…? (2020年8月17日 21時) (レス) id: 526cecfd7a (このIDを非表示/違反報告)
夜雨 - 寮服が両服になっています。 (2020年8月17日 21時) (レス) id: a3c70cbb44 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - オバブロかな?姿から「なーんてね」「ふふっ」ってぎこちなく笑って言ってるのが想像できた…。鳥肌ァ。自分の為なのに他の人の為になってるパターンあるの最高。誰かに優しく抱きしめられたい感じ?孤独から解放、理解されたい、もどかしい…先が楽しみ…(文字数許さn (2020年8月11日 21時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 主人公君の設定が滅茶苦茶刺さります……更新楽しみにしてます! (2020年7月26日 1時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椎名 | 作成日時:2020年2月11日 22時

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