episode XXXXIX ページ9
side vil
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雨音が響く部屋の中。
少し前に買い出しに行く、と言って寮を出て行ったAはまだ帰ってきていない。
突然こんな大雨が降るものだから傘が無いのも百承知だ。
彼奴は傘じゃなくてローブでいいと言った。
荷物が多いらしい。
購買、Mr.Sのミステリーショップにいるのだから店主のサムが多少気を利かせてくれないことも無いだろうが。
そうでなくても急いで帰らなくてはならない事くらい知っているAは傘を買うくらいするだろう。
財力は有り余っているし。なんなら魔法で作れる。
じゃあ何故こんなにも帰宅が遅い？
寮を出てから随分時間が経っている。
…嫌な予感がする。
傘もささずに外へ飛び出して風邪なんか引いてたら許さないわよ。
ヴィル「ルーク！Aの迎えに行くわよ！」
ルーク「ウィ！傘を用意してくるよ。」
道中でぶっ倒れてたりしたらどうするつもりなのよ。
いくら濡れてもいいとはいえこの大雨。
人形だから、というのは通用しない。
寮の鏡を抜けて購買部へ足を進める。
酷く冷たく静かな道だった。
まるで虚無。
探してみる限り見当たらない。
となれば恐らく購買部で雨宿りをしているのだろう。
目一杯叱ってやろうではないか。
と、大きく扉を開いた。
そこにはいつもの突飛な服を着た男が1人だけ。
あの美しい男は一体どこ？
ヴィル「サム、Aはどこ？」
サム「ん？その小鬼ちゃんなら随分前に店を出て行ったよ。」
店を出て行った？
有り得ない。
寮にもその道中にもいなかった。
かと言ってこの大雨の中どこかへ寄り道するような馬鹿ではない。
鏡舎周辺に雨宿り出来る場所はあるにはあるがそのまま寮に戻ってきた方が早い。
どういうことだ？
なぜ突如として消えた？
意味が分からない。
隣にいるルークも同じようで顔を顰めている。
何かあったというのか。
誰かに連れ去られた？
突如として浮かんできたその答え。
思い当たる節がある。
Aの元主。
Aをあんな風にしてしまった張本人。
人を変化させるだなんて強力な魔法を使うのだ。
恐らくかなり魔力量が多い厄介な敵。
もし誰にも見つかることなくAを連れ去ろうとしたのであれば突如として降ってきたこの大雨も理解がいく。
そうなれば、大変だ。
腐ってもそいつはあの子の主。
酷な事をされかねない。
早く、早く救出しないと。
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蓮夜 - 面白かったです。番外編とか大会もみたいです。出来たらお願いします。 (5月17日 10時) (
レス) @page31 id: 574d664119 (このIDを非表示/違反報告)
乱数 - ヴィル様可愛い!!男主くん家族に会えてよかった!!このストーリー好みドストライクで!!何回も見てます(笑)更新頑張ってください作者さん!! (2020年10月11日 22時) (レス) id: caaaa82ffc (このIDを非表示/違反報告)
夜海 - 四章ではなくて五章じゃないですか (2020年10月7日 19時) (レス) id: a3c70cbb44 (このIDを非表示/違反報告)
リイブ - コメ失礼します！凄くストーリーが素敵でドハマりしてます(笑)ヴィル様可愛すぎ。。続き楽しみにしてます！ (2020年8月12日 21時) (レス) id: 7e150d7d81 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます〜！ネタも若干考えてたりするのでスピード更新頑張りますね！良かったらリクエストとかくれたりしませんかね…？ (2020年8月11日 21時) (レス) id: 526cecfd7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椎名 | 作成日時：2020年8月11日 18時
