７話 ネコの正体 ページ8
鬼灯side
あぁ…
夢を見ているようです…
今私は、Aさんと一緒にいる
…ネコの姿で
Aさんは、ネコが好きですから
優しい手で、私の背中を撫でている
実はあの日…強烈な眠気に襲われた日
気がつけば私は、体を抜け出していた
見ると
倒れた自分と、駆け寄ってくる唐瓜さんたちの姿
茄子「あれー？なんだこの黒猫？」
……黒猫？
唐瓜「おーい茄子！そんなのいいから鬼灯様を！」
みなさんは、私だと分からないようです
唐瓜「こら猫！邪魔だよ!!」
唐瓜さんに追い払われ、少し距離を取る
浄玻璃の鏡に映った私の姿は
確かに黒猫でした
……！この姿なら……！
そこに、座敷童子のふたりが来た
一子「…もしかして」
ニ子「鬼灯様…？」
ふたりは気づいたようですね
鬼灯「ふたりとも、今私がそうとは言わないで下さい」
今私だとバレれば、きっと面倒なことになる
私を体に戻そうとするだろうから
そうなるとAさんを探せない
鬼灯「私はこのままAさんを探しに行きます」
一子「了解」
二子「
鬼灯「何か分かったら合図を下さい」
一子「分かった、打ち上げ花火上げる」
二子「鬼灯様、Aさん、絶対見つけてね」
私はふたりに頷きかけ、走り出した
唐瓜「鬼灯様！大丈夫ですか!誰か白澤さんを呼んで!」
茄子「鬼灯様!!」
姫華「鬼灯様ぁ〜、大丈夫ぅ〜？♥」
バタバタ
にわかに慌ただしくなった獄卒たちの足元を抜け、
蹴られそうになりながらも
座敷童子たちの助けで、私は外に出られました
閻魔庁を出た私は
愛しい人を探してひたすら走った
Aさん…!…どこですか…どこにいるんですか…！
タタタッ
キョロキョロ
慣れない四つ足で
何日もかけて、Aさんを探す
彼女を見つけた時には
鬼灯「(あぁ……やっと……やっと会えた……！)」🥺
と、感無量でした
こんな遠くにいたなんて…
Aさんには、私の使いだと言ってあります
本人というわけにはいかないから
あとミルクおいしかった
空腹でがぶ飲みしてしまいました
きっと今、閻魔庁は大わらわでしょう
「第一補佐官である私」が
謎の眠りに落ちているのだから
おそらく戻る方法は
「心である私」が体に入ること
戻りますよ、Aさんと一緒にね
さて……
あとはゆっくりと「合図」を待ちますか
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作者名：Nami☆ | 作成日時：2024年1月25日 23時
