募る違和感 ー日向sideー ページ29
十「…そうか、王馬が。」
「見てきても平気か?」
十「…一つ聞くが、それならばどうして王馬が取りに来ない?このパーティーに参加する資格は彼奴にもあるはずだ。」
十神にそう言われて気づいた。
そう言えば彼奴、何で自分で取りに行かないんだ?…その理由については何も話してなかったな。
俺が首を傾げているのを見て、十神はため息を吐いた。
十「まあいい。だが見回りをした後、もう一度俺の所に来い。再度チェックさせてもらうぞ。」
「疑り深いな…。わかったよ、十神。ありがとな」
そう言って、俺は旧館を回る事にした。
厨房や事務室、一応トイレなんかも見て回った。…が成果はナシ。
最後に回ったのは倉庫。そっと扉を開ければ、そこにはアイロンが三つあった。
「本当にあった。…あれ、何で電源がついてるんだ?誰かが付けっぱなしにしたのか?」
どれも電源がついていて、熱そうだった。
もうパーティーが始まるだろうし、誰も使わないだろう。そう思って俺は全てのアイロンの電源を切り、コンセントを抜いた。
「これだけ熱いと、流石に今は仕舞えないな。…仕方ない、また後で回収しに来よう。」
にしても、誰があんな事を?
十「来たか、日向。旧館は回れたか?」
「ああ、お目当ての物もあった。…けど、ちょっとおかしな点と言うか、不思議な事があって」
十「不思議な点?…話してみろ。」
「倉庫に三つアイロンがあったんだが、全部電源がつけっぱなしで放置されてたんだ。」
十「何?それで貴様はどうしたんだ。」
「どうって、普通に電源落としてコンセント抜いてきたけど、まずかったか?」
十神は考える素振りをした後、「いや、それであっている」とだけ伝えてきた。
どうしたんだろうか、急に。
不審がっている俺に十神はこう告げてきた。
十「すまないが事務室を見てきてくれ。もしかしたら…」
「?なんだよ。」
十「…いや、何でもない。とりあえず事務室に行ってエアコンなどの電気製品を確認してきてくれ。タイマーなんかが付けられていたら、止めておいてくれ」
「わかった。その後またここに来るよ。」
あまりにも十神が神妙な顔つきをするから、俺はそれに気圧されつつ、事務室へと足を向けた。
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MOTTO - 面白かったです!よければ更新お願いします! (2021年10月18日 14時) (レス) @page49 id: a222e10854 (このIDを非表示/違反報告)
Minto - 面白かったです!出来れば続きよろしくお願いします! (2021年7月17日 23時) (レス) id: 630c466c9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nameless0621 | 作成日時:2021年4月26日 19時