気づいたら囲まれてた。 (ページ48)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:99,829 hit

大事件インフォメーション 2 ーアズールsideーページ48

ジェイドが放った魔法は当たらずじまいでした。

Aさんの頬をかすり、そのままラウンジの壁へと衝突していきました。
ジェイドが驚いた顔をするのを見て、ピンと来た。

…魔法で物理的に動けなくしているけど、魔法を封じたわけではない。
あれはAさんが故意にジェイドの魔法を"逸らした"んです。…そんなの、フロイドのユニーク魔法でもない限り出来ないはず。どうして？
そんな混乱が、僕の冷静さを欠かせた。

ア「うぐっ！！」

ジェ「アズール！！」

Aさんの魔法により、吹き飛ばされた。
体を打ったせいか、痺れるように痛い。ジンジンと痛む体を抑えて、顔を上げた。

魔法は、集中力が命。
僕がかけていた動きを封じる魔法。痛みで集中力が切れた今、解けてしまったとしても何も不思議ではない。

フ「あ"っ、ぅ"…ぁぁあぁ！！！」

ジェ「フロイド！！！！」

Aさんの歯がフロイドの首にどんどん深く刺さっていく。その度にフロイドが悲痛な叫びをあげる。
まずいどころの騒ぎじゃない。本当に命の危機がかかっているというのに。
体が言う事を聞いてくれない。叩きつけられた際に落ちたマジカルペンを拾おうとしても、体が痛くて動けない。

ああ、どうしよう。どうすればいい？

ジェ「くっ、フロイドから離れろ！！」

ジェイドが魔法を放つ。
それはまたも軌道が逸れて、壁へと吸い込まれていく。彼(捕食者)の目がジェイドへと向く。ビクッ、とジェイドの肩が揺れた。
…そしてそのまま、ジェイドは魔法を食らってしまった。Aさんが放った、火の魔法を。

ジェ「うぁ…！！」

ア「ジェイド！！！」

ぼくは、なにもできなかった。

こんな時に、僕は役にたたない。

やっぱり僕は、グズでのろまなタコ野郎なんだ。