気づいたら囲まれてた。 (ページ41)

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バスケ部アセンブリ 4 ページ41

フ「って感じ～。とりあえずドリブルしてパスしとけばへーき」

「…難しく考えなければいけそうですね…」

いや作戦とか考えなければ、の話ですけどね。
俺、成績平均点の男なのでそんな頭フル回転させられません。むりみ。

フ「んじゃとりあえず、オレからボール奪ってみて」

「えっ…無理ゲー」

フ「ハンデでオレは動かないであげる～」

そう言われたのでとりあえずボールに触ろうと手を伸ばすが、サッと反対の手にドリブルされる。
…え？これをとるの？無理だろ。

何分かわちゃわちゃしてたが、取れる気配は全くもってない。詰んだわ。
そう思いながらアタリメを口に放り入れた。そろそろ燃料の残量に気をつけよ。

フ「イタチザメちゃんへっぴり腰すぎぃ。オレあきてきちゃったぁ」

「フロイド先輩が強すぎるんすわ…」

フ「もー。とりあえずきゅーけー。オレ飲み物とってくるー」

そう言ってフロイド先輩は体育館を出ていった。あの人、戻って来ないとか…ないよな？まあその場合、お泊まり会は無くなるが。
手持ち無沙汰になり、練習試合をしているカニちゃんの方を見てみる。流石に上級生相手には部が悪いらしく苦戦していた。

エ「くそっ」

ジャ「エース、冷静さを失うな。相手の隙を見つけるんだ」

エ「わかってますよ…！」

うーん、フロイド先輩だったら速攻で奪い取れそう。
多分…ボールを押し出せば…？
そんな感じで観戦すること数分。フロイド先輩が戻ってきた。

フ「…イタチザメちゃんも試合したい？」

「…いえ…見てたら、やり方がわかったかもしれないなぁって…」

フ「マジ？やるより見た方がいーの？…もっかいとるやつやってみる？」

「はい、お願いします」

そんな訳でリベンジ。さっきよりはいける、気がする。フロイド先輩をよく見て、よく見て。

今だ！！！

パッと伸ばした俺の手には、先程までフロイド先輩がついていたボールがあった。