第150話 さよなら 1 ページ36
カイコクside
貴方「………」
「………」
貴方「………」
「………」
無言。
一言も話さず自分の前を歩き続けるAちゃん。そして決して俺の事を気遣う素振りを見せずただ前を見て歩いている。
『どこに向かって歩いてんでぇ?』
先刻そう聞いた時、彼女はまるで今日の天気を聞かれた時かのようにこう答えた。
貴方『さあ?』
これが当たり前だと言うように。そういった彼女は今も俺を見ることはなく、淡々と前を歩き続けている。
きっと彼女にとって俺がここに来たことも、今一緒にいることもどうだっていいことなんだろう。
それでも彼女はここから出る方法を知っている。その方法は何となく俺も気がついてる。それをあえて言わず、俺は彼女の後ろを歩く。
この子は待っている。俺がついて行くのを諦めるのを。俺がこの子を見限るのを。
それを深く望んでいて、
それを酷く恐れている。
それがわかっているから俺はこの子から付かず離れずの距離を取りずっと歩いている。
路々さん『そこはレディーに合わせるものじゃないのかい?』
全くその通りでぇ、路々さん。歩幅を合わせて歩くことで、彼女の不安や、後悔や、恐怖や、焦りが見える背中を見ると同時にこんなにもこの子に対する『愛しさ』が増すばかりだとは思ってもみなかった。
…………俺ってなんか変態みてぇだな。
違う。見たことの無い彼女が見れることがたまらなく嬉しくて『俺にだけ』という特別感がもっと彼女への愛しさを思わせるのだ。
守りたい=好きではない。守りたい=愛ではない。それはただのエゴだ。可哀想な彼女に対する同情になる、同情されてると思うだろう。
では、この思いはなんて言えばいい?なんていえば彼女に伝わる?
「って哲学でもやってんのか、俺ァ」
そう言って彼女から一瞬目を逸らした。
“一瞬”だった。
「!?」
その“一瞬”で
「Aちゃん!!!」
彼女が消えたのだ
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ミー(プロフ) - 星が真っ赤に!!皆様、ありがとうございます!全然本編は進まず、大変申し訳なく思っておりますm(_ _)m皆様に楽しんで呼んでもらえるように駄作者も頑張りますので、これからも『モノクロ』をよろしくお願いしますm(_ _)m (2020年5月23日 22時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - ミル産業さん» ミル産業様、コメント&リクエストありがとうございます!本当ですか!?ありがとうございます(*^^*)リクエスト承知致しました!早めに出せるよう頑張ります!これからも『モノクロ』をよろしくお願い致します! (2020年4月22日 15時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
ミル産業 - このお話大好きです!カイコクさん推しにはたまりませぬゥゥッ///更新待ってます!あと、リクエストで、アンヤくんとか他のメンバーといちゃついていたのを嫉妬して問い詰めるカイコクさん、とか、酔っぱらいの夢主(又はカイコクさん)が見たいです。長文失礼しました! (2020年4月21日 21時) (レス) id: 66812cc6be (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 蓮花さん» 蓮花様、返信が遅くなり申し訳ございません。何度もコメントありがとうございます!!&リクエストありがとうございます!!分かりました!少しお時間を頂きますがなるべく早くお見せできるような頑張ります!これからも『モノクロ』をよろしくお願い致しますm(*_ _)m (2020年4月3日 22時) (レス) id: 13fa699958 (このIDを非表示/違反報告)
蓮花 - ミーさんいつも、楽しみに読んでいます。もし、書いていただけるなら、書いて欲しいです。夢のお話の続きが、見たいです。お願いします。 (2020年3月27日 1時) (レス) id: fa1d4bf8d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミー | 作成日時:2019年9月3日 22時