カードキャプターさくら～全てを知っている少女～ (ページ44)

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39話ページ44

NOside

エ「中に入らないのか、ユエ」

エリオルは部屋を出た後、自分の後ろに立つユエに声をかけた

ユ「昨日の答えをまだ聞いていない。生まれ変わるというなら、シグが生き返るというなら…なぜ新しい主など決めさせたんだ！」

エ「それは、貴方もわかっているはずです。例え前世の記憶があっても私はクロウリードではない

…そして彼女も私も言ってはいませんがシグが生まれ変わったのは私と同じ時期です」

それを聞いて、ユエは目を見開いた

クロウが死んで、自分たちが封印された後すぐに生き返り、今日に至るまでを過ごしていたと思っていたからだ

エ「ええ。そして先日シグは死に、時雨として生まれ変わった

クロウリードもシグリードももうこの世には現れない。だからこそ彼はさくらさんに貴方たちのことを託した」

ユ「それでも…それでも待っていたかったんだ。クロウとシグを

…新しい主が嫌いなわけじゃない、けれど…」

エ「それは、とても好き…ということかな

あの二人はもういない。けれど思い出話ならできるよ、私でよければいつでも話そう。君の大好きな彼らの事を」

クロウ…とユエは悲しそうに呼ぶ

「私だって教えることはできるよ、エリオルより知ってるからね」

ユエ「シグ…？」

「残念、時雨です。魔力がもう違うでしょ？」

ユ「…！」

「ユエ、シグは…漸く静かに眠れたんだよ。人間の一生は君たちからしたら瞬き程度でしょう？」

クスクスと笑いながらユエにそういった

「私もシグが完全に消えたのは寂しいよ。だけど私達はここにきてよかったって思ってる」

何故、というユエの表情を見てエリオルが時雨の言葉を続けた

エ「さくらさんやユエやケロベロスに会えたんだから。それに…予想できなかったことも起きた

一つはユエ、君の仮の姿である雪兎の心だ。彼はさくらさんと出会ってさくらさんを一番好きになると思っていた」

「もう一つはさくらちゃんの心

ふふっ、どっちも私達が考えてたのと…違ったみたいだね」

そう言った時雨とエリオルの表情は、少しだけ楽しそうだった