見えないモノ【ワートリ】 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:3,056 hit

２ページ4

Aside

迅さんと歩いていたのは目的地が一緒だったから。

内容については知らされていないが多分今日の会議はイレギュラーゲートのことだろう。

というか迅さんがいる時点で大体想像はつく。

「いやー今日の会議は面白くなりそうだなー」

「…なんか視えてるんですか？」

「Aも楽しみにしとけよ」

迅さんがそう言うと同時に会議室の前に着く。

大体の人ならここで深呼吸なり多少の緊張は見せるはずなのだが、迅さんはお構い無しに扉を開き飄々と会議室にはいる。

「どーもー実力派エリートですー」

「倉元です、失礼します」

会議室に入るといつもの上層部のメンツに加え

…誰だあのメガネ、それに三輪も

「御苦労」

城戸さんがそう言うと迅さんはメガネの隣に私は会議室の壁にもたれかかる

それを見計らって城戸さんさんが話し始める

「揃ったな、本題に入ろう
昨日から市内に開いているイレギュラーゲートの対応策についてだ」

…やっぱり

「待ってください
まだ三雲くんの処分に結論が出ていない」

「結論？そんなもんきまっとろう
クビだよクビ、重大な隊務規定違反、それを一日に二度だぞ？」

「他のC級隊員にマネされても問題ですし、
市民に「ボーダーは緩い」と思われたら困りますしねぇ」

忍田さん、鬼怒田さん、根付さんの順に喋っていくが話についていけない。

多分私と迅さんが到着する前に話し合っていた議題のことだろ。

「そもそもコイツのようなルールを守れんやつを炙り出すためにC級にもトリガーを持たせとるんだ
バカが見つかった。処分する。それだけの話だ」

すごい言われようだな

だんだんと話が掴めてきたが自分とは無関係なことなだけにさほど興味がなく足元に視線をうつす

「私は処分には反対だ。三雲くんは市民の命を救っている」

「ネイバーを倒したのは木虎くんでしょう？」

「その木虎が三雲くんの救助活動の功績が大きいと報告している」

…へぇあのプライドの高い木虎が

「さらに嵐山隊の報告によれば、三門第三中学校を襲ったネイバーは三雲くんが単独で撃退している。隊務規定違反とはいえ緊急時にこれだけの働きができる人間は貴重だ。彼を処分するよりB級に昇格させてその能力を発揮してもらう方が有意義だと思うが？」

「本部長の言うことには一理ある

…が、ボーダーのルールを守れない人間は私の組織には必要ない」