異世界にトリップした 〜戦闘能力0ってどうすれば！？〜

第2章　2話　〜魔法練習〜 ページ10

「うおわあぇぬぉぐぇゔぉう！」


　……周りの人の視線が痛い。視線が可視化したら絶対オレ死んでる。


「…………」


　シオンまでもがスススーッと身を引いていく。


「やめてくれ！ オレ、悲しいっ！」


「…………そ、そんなことより、すぐにお金が尽きるので、どこかで稼ぎましょう！」


　離れた距離を保ったままそう言ってくる。周りの人も離れて行く……と言うかオレを避けて道を歩いて行く。はぁ……。ただ叫びたかった。それだけなんだよ……。


　そうか、金は1週間分しかないんだ。やっぱり冒険者ギルドとかあるのかな。やべ、超気になる。


「ゆう……レント様の戦闘力なら冒険者になっても大丈夫だと思いますので、冒険者ギルドに行きましょう」


　あっ、今勇者って言いかけたなっ！


　こんなに人が多いところで勇者って呼ばれたら何が起きるかわからない。めんどくせぇことになるのは確実。


　だからこういった人が多いところではレントって呼ぶように言っておいた。


「冒険者ギルドってどこなんだ？」


　ワクワクとドキドキを抑えながら問いかける。ワクワクドキドキしてるの、バレてないかな？


「冒険者ギルドはすぐそこですよ！」


　そう言って指差したのはオレの方……ではなく後ろにある建物だ。


　え！？ お城並みに綺麗じゃん！


「え、と……本当に、ここ？」


「はい。ここです」


　……まあいいや、とりあえずすげぇ綺麗な石──大理石みたいなやつ──の扉を開く。あ、結構軽いな。


　楽しみすぎて手が震える。やべぇ、携帯のバイブレーションみたいだ。


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10/7
第1章の終わりに「第1章登場人物まとめ」を載せました

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