【WT】私と貴方とスポーツドリンク ＜短編集＞

私と貴方と最後の日＜kn＞ ページ13

三日後、人類は滅ぶでしょう。


そんなニュースを彼と一緒にリビングで見ていたのが三日前。

「え…」

持っていたマグカップを取り落としそうになって、慌てて持ち直す。

そんなの、嫌だ。

信じられない。信じたくない。

しばらく思考を停止させていると、彼がいきなり抱きしめて来た。

「A…大丈夫…？顔真っ青だよ…」

大方、私を安心させようとしてくれているのだろう。
その優しさに心が痛くなる。

「だい…じょ、ぶ」

「大丈夫じゃないでしょ。強がらないで。」

そう言って私の背中をとんとんと叩く。
その手は、とても優しくて。

彼だって、今すぐ叫び出しそうなくらい怖くて辛い筈なのに。


嗚呼、神様って残酷だ。

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世界が終わる二分前。


世界は、いつも通りだった。


唯一つ違うのは、街の中に人が一人も居ないという事だけ。


「ねえ、きんとき」

「…なあに」

「大好き」

そう言ったら、彼は私をぎゅっと抱きしめた。

「俺も…Aのことが好き。大好き。」

彼の胸から鳴る心臓の音。
服越しに伝わる体温。

今だってほら、生きているのに。

「Aは、生まれ変わったら何になりたい？」

「うーん、きんときとまた一緒に居られるなら、人間でも犬でも宇宙人でもいいかな。」

そっか、と言って、彼の目から一粒の涙が溢れ、私の服にぽとりと落ちた。

「私ね、きんときと一生一緒に居られて幸せだった。ありがとう。」

「ありがとう。A。俺とっ…一生一緒に居てくれて。」

震える声でそう言って、彼は目を閉じた。





世界が終わる。








ねえ、きんとき。









来世でもまた、一緒に居られるかな。


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ちょっと暗い？お話になっちゃったかもですね。

何故人類が滅ぶ事になったかはご想像にお任せします。

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