俺にも季節が訪れた。 (ページ8)

今日:8 hit、昨日:6 hit、合計:24,506 hit

第8話　屋上、ページ8

.

今日は久しぶりに街に行くらしく、

俺も久しぶりに家で勉強していた。

横に置いていた、

普段は滅多に震えないスマホが、

急に音を立てて震える。

表示画面には、

「お母さん」でも、

「お父さん」でも、

「弟」でもない、

「彼(美天使)」の文字。

少し悩んで、

電話に出た。

雄「もしもし」

龍『あ、那須くん？』

雄「うん、何？」

龍『ご褒美の事なんだけど、』

「明日、行かない？」

彼は、いろいろ急すぎる。

まぁ、何の予定もないから、

とりあえず、了解の返事をした。

でも、本当だったんだ。

冗談か何かだと思ってた。

.

.

龍「あ、ごめんね、
今日は那須くんと約束があって…」

男「佐藤、有り得ないけど一応聞かせて？」

龍「何？」

男「彼奴と付き合ってないよな？」

龍「うん」

付き合っていたら、

きっと校内に広まっただろうな。

男「じゃあ、何かあった？」

龍「何で？」

男「いや…、普通に考えて可笑しいだろ…
…彼奴、いつも喋んないのに…」

こういうのは疲れる。

聞いてるのも、

その場にいるのも。

席を立ち、

俺の逃げ場所と言っても過言ではない、

屋上に行く。

雄「……誰かいる？」

屋上に上がり、入ると、

身長が高くて、色白の子がいた。

？「……ぁ、噂の子だ」

雄「え？俺？」

？「岩崎大昇です、宜しく那須くん」

雄「は、はぁ…？」

大昇とは、たった数分で仲良くなった。

大昇は見た目と違い、

面白くて、

周りの奴等と違う、

とても良い奴だった。

俺は知らなかったけど、

大昇もある子のせいで、

俺と同じように噂になっているらしい。

大「那須は、何がきっかけで？」

雄「電車のホームから落ちそうだったのを
助けた。」

大「凄いね。」

雄「大昇は？」

大「んー…、万引きしたって言われてて、
それを助けた。」

雄「お互い、大変だね。」

ただ助けただけなのに、

関わったら噂になるような子助けて。

また屋上で会う約束をして、

教室に帰った。

.