俺にも季節が訪れた。 (ページ5)

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第5話　学校で噂になるページ5

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変わらない平凡な日常は、

一体、何処に行ってしまったんだろう。

女「あの子、最近佐藤くんといるよね」

女「仲良いのかな？」

男「佐藤と何かあったんじゃね？」

女「顔可愛いもんね、龍我くん」

男「知らないとかじゃない？
佐藤が校内でなんて呼ばれてるか」

聞こえてるけど、

聞こえていないフリをする。

彼が校内で何と呼ばれてるか、

知らないわけがない。

『噂の美天使』

嫌でも覚えてしまう。

だって、彼が廊下を歩けば、

『天使、天使』と騒ぎ立てるから。

俺から見たら、

馬鹿みたい、としか思わない。

まぁ、確かに天使かもしれない。

でも、群がってまで本人に伝える事じゃないと思う。

龍「那須くんっ！
今日の放課後、勉強教えてくれない？」

雄「君、放課後はいつも用事があるのに、
大丈夫なの？」

龍「…今回のテストの点数悪くて…
今日から１週間は、遊んじゃダメって親に言われたんだよ」

必死な顔から、

一気に、拗ねたような表情になる。

俺は、いつからか笑わなくなっていたから、
表情をコロコロ変えられる彼は、凄いと思った。

少し下がった眼鏡を指で上げ、

聞かれた質問に返答する。

龍「ねぇ、ダメ？」

雄「分かった。
今回のテストの結果が見たいから、
テストも序でに持ってきて。」

龍「うんっ。
放課後、図書室で待ってて？」

雄「うん。」

あの天使のような顔で、

何人の男女を落としてきたんだろう。

ふと、友達の輪に戻り、

笑っている彼を見て思った。

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