お花見 【大原空】 ページ10
『そーらー。起きてー』
あー、Aの声がする…気がする……
太陽の光が差す中、桜の木の下に寝っ転がって日向ぼっこ兼お昼寝…それは人生で一、二を争うほど幸せな瞬間だ。
ふわりと風に乗っていい匂いが鼻をくすぐる。
それと同時におでこに違和感を覚え、パチリと目を開けると目の前にはAの顔があった。
「うわあああああああ!?!!」
『わあああああ!???』
完全に意識が覚醒する。今、俺……ち、ちゅー…されて……
「あの、その……今…」
『……そ、空が…おでこ出してるから…?』
「あ、もう答えてくれた……ってやっぱしてたんだ!?」
悪い!?と顔を赤くするAが可愛くて、思わず抱き寄せて一緒に桜の木の下に寝転がる。
最初は抵抗してたAも諦めたのか俺と一緒に寝転がると大空を見つめ始めた。
『宗司が呼んでたよ』
「んー……」
『…モリと廉くんも呼んでた』
「んー…」
『望は空の分のお弁当も食べちゃった』
「あー……」
『だから、お弁当持ってきたよ』
ずしりとお腹の重みにぐぇ〜、と死んだカエルみたいな声が出る。
愛妻弁当ならぬ、
「一緒に食べてくれんの?」
『私もう宗司達と一緒に食べたからなぁ』
「え、俺だけ除け者」
むす、とわざとらしくむくれてやればごめんね。と胸に擦り寄ってくる。
寝てた俺が100%悪いから1mmも怒ってないけど、更に怒ったふりしてそっぽを向く。
『えー、怒った。めんどくさい男』
「Aが放置するからだろー」
『寝てた空が悪い。起こしたのに』
なんだ、俺が悪いって気づいてるのか。なら怒るフリする意味無いか……
くるっと体を反転させてお互い向き合う形で寝転がる。
「なーぁ…ずっーーとこのまま寝てたい」
『いーよ。付き合う』
「そういうとこ、めっちゃ好き」
ぎゅっっと抱きしめて目を閉じる。
遠くから聞こえる家族の声や風の音を聞いていると自然と意識が遠のいて行った。
起きたら、みんなで写真撮ろう。
そんなことを考えながら俺はAを抱きしめたまま眠りに落ちた。
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この時期お花見シーズンらしいですね。北海道はまだまだです。寒い。
お花見しても眠くなってしまって基本寝てばっかりなので、花より団子 ならぬ花より睡眠ですよ。
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作者名:ななせ | 作成日時:2019年2月26日 7時