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約束 【桜庭涼太】 ページ9

俺はコウに事情を説明する為、止まっていた車に近づき窓を叩く。
小さな機械音と共に開く窓の向こうには困った顔のコウがいた。


「リョウ、彼女と会うのは構わないがいきなり飛び出すのは危ないぞ…?」

「悪い…と思ってる……じゃなくて、コウにお願いが……」

「はぁ……どうしたんだ?あの子の事だろう?」


コウは車内から視線だけAに映し、またすぐに俺を見つめる。
きっと何を言われるのかだいたい予想がついているのだろう。


「迷惑かかるのも分かってる。無理なお願いだ…ってのも分かってる……
けど、俺は今Aの傍に居てあげないといけない気がするんだ。普段から仕事のせいで会えてないのに今回は連絡も入れないで放置しちゃったし……」

「……つまり?」

「Aの家に泊まりに行きたい……」


はぁ、とため息をつき頭を抱え悩むコウに気持ちを込めて視線を送る。
その後直ぐに、コウはマネージャーの望月さんと何やら話し始めた。


「リョウ〜…?」

「え、何。ケン…今集中してるんだけど…」

「後ろ……」


ちょいちょい、と指を刺された方を見るとくしゃみを連発させるAの姿があった。
可愛いけど、風邪をひかれたら困る……


「コウ、何とかならない?」

「……望月さんがなんとかしてくれるそうだ……ただし、明日は7時までには帰ってくること。それが条件…守れるか?」

「絶対守る」

「今回だけだぞ」

「リョウ〜!彼女大事にな〜!」

「帰ってきたらお話聞かせてね〜〜」


後ろからの野次を聞きながらAの方へ向かう。
雨足が強まってきた……急いで帰らないと…俺も風邪ひくかもしれない。


「A、ほら…連れてって?」

『リョウくん……本気?』

「本気。今日は泊まっていくから…」

『ん!?聞いてない!!』

「行ってないからね」


家に着いたら、一緒にお風呂入って、Aの為にご飯作って、一緒にダラダラして……一緒に寝る。
今まで会えなかった分とこれからの分。存分に味わって明日から仕事頑張ろう。

Aの為にも。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
エイプリルフールのマネパラのおかげて望月さんの見た目知れました。ありがとう、マネパラ。
月城さんが好きです。

高校入学の手続き、その他諸々片付いたのでつかの間の休息を得ています。
春休み中にもっと更新したかった……

お花見 【大原空】→←約束【桜庭涼太】



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作者名:ななせ | 作成日時:2019年2月26日 7時

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