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「な、なに……?」
「……すぐるくんは私のこと、彼氏がおんのに他の男にハグさせる女やと思ってるんや」
「いや──」
否定しようと口を開きかけた時、彼女に勢いよく引き寄せられた。背中には両腕が回っていて、鼻先で香る柔らかな匂いに頭がクラクラする。
「私のこと、好きでもない男にハグさせる女やと思ってるん、?」
ぎゅ、と腕に込められる力が強まる。ゆっくりとその意味を咀嚼したとき、ぶわりと顔中が熱くなる。それってつまり、
「あの、Aちゃん」
「絶対私からは、い、言わんから。同じ気持ちなら、すぐるくんから、言われたい」
消え入るような声は震えていた。俺は抱きしめ返そうとして、その腕を引っ込める。
不器用に強がる様子が、どうしようもなく可愛いと思ってしまった。これが恋愛感情によるものなのか、はたまた大きく年の離れた女の子に対する親愛のようなものなのか。それは正直わからないけれど、精一杯の愛をこんなに健気に伝えている彼女が今はたまらなく愛おしかった。
「俺も、Aちゃんやなかったらお願い聞いてへんかも」
気持ちの整理もついてないくせに、卑怯なことを言っているとは思う。でも、少なくとも約束できることは一つあった。
「……すきか、すきじゃないかでこたえてや」
「……大事にする」
案の定、彼女は不満を露わに俺の背中を叩いた。もぉ〜……と肩口で聞こえたが、その声はちょっとだけ嬉しそうで、俺もつられてにやけてしまう。
恋愛感情なのか、そうじゃないのか。恐らくもう前者なのだろうが、まだ俺は彼女を抱きしめ返すことができないでいる。この気持ちに名前をつけて明言するだけの自信が無いだけなのだ。
だからAちゃん。臆病な俺が胸を張ってその二文字を伝えられる日まで、もうちょっと待っててな。
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静寂(しじま)(プロフ) - エミさん» 返信遅くなりすみません…!ありがとうございます!最近忙しいのとネタ切れで更新できてませんが更新は続けますので気長にお待ち頂けると嬉しいです! (2022年4月13日 0時) (レス) id: 8344300b59 (このIDを非表示/違反報告)
エミ(プロフ) - 静寂様の書かれるお話が凄く好きです…これからも更新楽しみにしています〜!☺ (2022年4月2日 0時) (レス) id: a0e3c6c9d5 (このIDを非表示/違反報告)
静寂(しじま)(プロフ) - 咲世さん» コメントありがとうございますー!楽しんで頂ければ幸いです!🙇♀️ (2022年2月13日 17時) (レス) id: 8344300b59 (このIDを非表示/違反報告)
咲世(プロフ) - バレンタインの更新楽しみにしてます! (2022年2月13日 9時) (レス) @page19 id: d952fb547f (このIDを非表示/違反報告)
静寂(しじま)(プロフ) - 千寿さん» まさに表現したかったことが伝わったようで良かったです〜!次回ありましたらぜひまたよろしくお願い致します! (2022年1月29日 18時) (レス) id: 8344300b59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:静寂(しじま) | 作成日時:2022年1月21日 0時