入院生活 3 ページ4
お水のペットボトルを片手に、窓の外を眺めながらさっき来た廊下を戻る
私の病室は3階にある、だから外の景色が丸見えで
帰り道を通る高校生くらいの女の子が2人、楽しそうにお喋りしながら歩いている
可愛い制服に身を包んで、青春してますって顔して笑い合っている
ふと廊下の全身鏡に目を移すと
長年着ていたせいで、少しほつれているパジャマに、外出ができないせいで伸びっぱなしになった真っ黒な髪の毛
そして胸元には昔した手術の残骸
それをすっとなぞるとザラザラとした感触が手に残る
いつ見てもやっぱり慣れないな
まあ、自分が悪いから仕方ないけど
なんて、自虐するような笑いが出る。
誰もいない廊下をのっそりのっそりと堪能するように歩く
自分の名前が扉の横にかかってて、それを確認して部屋に入る
前、確認しなくてそのまま入ったら全く知らないおばあちゃんの部屋に入っちゃったことがあるからね
まあ、そのおばあちゃんとも仲良くなったんだけど
なんて過去のことを思い出してると、遅い。と聞きなれた母の声が私の耳に届いた
母の周りには私の荷物でいっぱいで。
ごめんごめんなんて言いながら2人してそれを片付けていった。
最初は殺風景過ぎた部屋が、私の大切なもので溢れている。
この空間が、大好きだ。
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Cocoa@そらまふらー/crew - 感動しました…涙が止まらない(;∀;) 文才分けてください(( これからも頑張って下さい! (2018年8月14日 21時) (レス) id: 13604fc398 (このIDを非表示/違反報告)
どこかの誰か - 普通に感動してボロ泣きでした(;Д;)こういう話には弱いもんで…。にゅまさんの才能を感じました!これからも色々読んでいきたいです(´ω`) (2018年8月10日 15時) (レス) id: d235b15c87 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - この話は切なくて泣けてしまいました。涙ってこんな簡単に出るのかな?って思いました。 (2018年6月9日 22時) (レス) id: a3a1fc3f89 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 切ないけど、幸せな話で感動しました。 (2018年6月9日 15時) (レス) id: e6be9093a8 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - ヤバいです。泣きました。私こんなに涙腺緩かったっけ? (2018年6月2日 20時) (レス) id: 46f91ead37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゅま | 作成日時:2018年5月4日 4時