【まふまふ】入院生活【歌い手】

入院生活 10 ページ11

昨日初めてであった女の子

髪が長くて1度も染めた事が無さそうな真っ黒な色。白い肌とのコントラストが僕の1番最初に見た時の印象だった。


びっくりしすぎて慌てて逃げたけど、腕を掴まれてぐっと止まる体に恐怖心が生まれた

昔から人が得意じゃない僕はこんな事に慣れていなくて、とりあえず逃げたくて咄嗟にごめんなさいを繰り返して掴まれていた手をおもむろに剥がした。

彼女は何か言っていたけど、そんなの耳に入れる余裕もない

僕はその場から走って逃げた。








そしてまた、今日も。


気が付けば彼女は自動販売機の影からなにか考え事をしているように首を傾げていた


昨日の…


恐る恐る声をかけると、ビクッと肩を揺らしてこっちを見た。


何故か彼女の瞳に惹き込まれてしまって…

彼女が僕に近づいた時、見蕩れていた自分が恥ずかしくなって下を向いた。


僕の前に座るとおもむろにカバンを机の上に乗せ、その上から頬杖をついて僕を見る


そして、突然喋ったかと思うと昨日の事だった。

頭を下げる彼女に、さっき悩んでたのはこれの事かな。と思ったらなんだかこの人は悪い人ではない気がして、僕も逃げてしまった事を謝った






すると彼女は、とても嬉しそうに笑ってキラキラと目を輝かせていた



久しぶりに見た僕に向けての笑顔に心がなんだかあったくなった気がした

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