80話 ページ31
まるで手に落ちた雪が溶けるように
玄も翆も消えてしまった
けれど、その時放たれた光はとてもとても暖かく
その夜ははしゃぐように2つの光が、虹のかかった山へ帰っていく夢を見た
貴志も同じ夢を見たという
夏目「2人はちゃんと石像に帰ったかな」
『大丈夫だろう。妖怪は私たちが思っている以上に弱くなく』
先生「そうだぞ。お前らのような弱っちい奴が思っているほど妖は弱くない」
『同じこと言ってるぞ猫』
先生「にゃに!?」
夏目「そうだな。強い先生が思っているほど、おれはまだ別れには強くないんだよ。だからさ━━━━━━・・・だから・・・大切だと思ったことは大事にしていきたいんだ」
先生「お前が言うことはいつもわからんな」
貴志に抱えられた猫が呆れるように言った
『私は逆に弱くなったな・・・お前が来てから』
夏目「そうなのか?」
『今までなら、手助けくらいならしても、あそこまではしなかった・・・悪霊が戻れるなんて思ってもみなかったからな・・・だがま、悪い気はしない』
夏目「そうか」
『お前が来てから本当に色々変わった』
ありがとな
そう心の中で呟いた
先生「ところで、今からどこへ行くんだ」
夏目「しばの原だよ。花の種でもまこうかと思って」
私たちは人だから虹は見せてやれない
けれど、3色の花の種を貴志と相談して植えることにした
あの2人がいる像から見やすいところに・・・
人は花が好きなんだ
妖怪だってきっとそうだろ?
同じ春が巡るのだから
『3色の虹・・・3色の花・・・ものは違えど、綺麗だろ』
2人で幸せでな
私はそう呟いた
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闇黒嶺(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます!好きと言っていただけてとても嬉しいです!これからも頑張るので、どうかお願いします! (2022年3月10日 0時) (レス) id: 493ad3773d (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - この話好きです(*^^*)これからも頑張ってください💪応援してますー🔥 (2022年3月7日 13時) (レス) @page31 id: 91b6b6a73d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:闇黒嶺 | 作成日時:2021年11月1日 14時