藤原夫妻の娘

15話 燕 ページ16

『暑っつい！』

夏、本格的に暑くなりだした時、私は自室で寝転がっていた

女らしさの欠片も無い

だが、今日は友人とどこかに行く約束も、遊ぶ約束もしていない為家から出ることは無い

母さんは買い物、父さんは仕事、アイツは西村たちとダムに釣りに行った

だけど、ここ数日の干ばつでダムは干上がってるはずだ

「おーい！花佳居るか！？」
『ん･･･西村･･･？』

少しウトウトしていたのか遠くから聞こえた声で頭が覚醒した

『なんだよ』
西村「夏目が倒れたんだ！」
北本「開けてくれ！」

アイツと一緒に･･･と言うか、アイツを誘った張本人たちが倒れたアイツを連れてきた

(ｶﾞﾗｯ

『私一人じゃ運べないから手伝ってくれる？ついでにお茶でも飲んでく？』
西村「良いのか？」
『母さん買い物行ってるし、コイツを運んで来てくれた礼』
北本「安い礼だな」
『うるせ』

アイツをアイツの部屋に運んでくれた2人にお茶を出し少し話す

話を聞けば、やっぱりダムは干上がって沈んだ村が顔を出していたらしい

『ま、だとは思ったよ。確かアソコは二葉村、だったか？』
西村「そ！」
北本「そういや、俺の父ちゃん二葉村の出身だったな」
『ふぅん･･･』

ダムに沈んだ二葉村出身の人は殆どがこの辺に越してきてるらしい

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