第52話 ページ7
私がバランスを崩して、落ちたのだろうか
今、水の中にいる
夢の中も水のせいか、抵抗せずにそのまま落ちる
息を少しづつ漏らしながら
「大丈夫
苦しくないよ」
自分と似た声に反応して、周りを見た
振り向くと、水の中で立っている私がいた
ひとつ違うのは、その目が紫色なこと
「僕は君だよ
お話、聞いてくれる？」
よく分からないが、自分？の言うことを聞いたら確かに苦しくはなかったので、話を聞くことにした
「ありがとう
まず、僕は君が遠くにやってしまった君の心の半分
いつだろうね
生まれた時だっけ
苦しむことを恐れた君は、僕を遠ざけた
君が壁を作っている人を見て、無意識に視線を遠くにやるのは僕に助けを求めているからなんだ」
私の心の半分…？
「実感が無いかもしれないけどね
君は時々心を空虚に感じていただろう？」
確かに、自分のことを空っぽだと思ったことはある
それに自覚したのはお姉ちゃんがいなくなってからだ
「ま、僕の説明はこれで終わり
次は君の話に入るよ？」
なんだろう、何を言われるんだろう
自然と肩が震えた
「君は、幹部達に嫌われている…
そう思っているでしょ？」
心臓がドキリと鳴った
否定はできない
でも、自分に言われると案外傷つく
「君は…
分かっているんでしょ？
心の底からは嫌われてないって
だから、頷かずに図星した」
『ちがっ…』
目の前の私は首を横に振る
「違わないよ
知っているんでしょ？
グルさんが心配してるのも
トン氏が本当は仕事をさせたくないのを
マンちゃんが助けようとしていたのも
ひとらんが噴水から助けてくれたのも
エミさんが心の底から悪口を言ってないのを
ゾムが手を伸ばそうとしたのを
シャオロンが危険にあって欲しくないって願うのを
ロボロが反省したのも
大先生が大切にしようとしていたのも
コネシマが遠ざける理由も
ショッピくんが尊敬してるのも
全部、本当は分かっているんでしょ？」
ポロポロと涙が出る
分かっていた
いくらお姉ちゃんと面影を重ねられても、私をしっかり見ていてくれているのぐらい
グルッペンやショッピくんが、分かりやすく声をかけてくれているのに
その声を無下にした
欲しかったんだ
逃げ道が
いつか、お姉ちゃんじゃないらなって捨てられた時
悲しくないように
辛くならないように
「ねぇ、君はどうするの？」
優しく聞こえた声
私は…
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時雨 - 泣きました (2021年1月6日 13時) (
レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
ブンブン(プロフ) - か、感動 (2019年12月29日 17時) (レス) id: 4a511d68cf (このIDを非表示/違反報告)
みかんの皮 - これで感動しない奴は、コネシマよりも心がないことになるゾォ？私は、バッチリ感動しましたね（真顔） (2019年12月19日 23時) (レス) id: b2f70beae4 (このIDを非表示/違反報告)
meika(プロフ) - あ、あれ？目からアラル海が、、、？あれ？((語彙力が来い)) (2019年12月7日 15時) (レス) id: 857b9cc073 (このIDを非表示/違反報告)
たう - これは泣きます。更新頑張ってください！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: ada02683d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月影ハロウ | 作成日時：2019年11月29日 16時
