【派生作品】まがれまがれ、ガリオンよ (ページ13)

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「……ええ、本当に？」

　呪いの事を話すも、ガリオンは懐疑的な様子だった。懐から紙切れを取り出し、まじまじと見つめる。汚れた紙に書かれた『まがれ』の文字。

「先生が呪いをどうにかするって言ってたけど……そういえば、実物を渡したわけじゃないのにどうして解呪ができるのかな」

「『まがれ』っていう文字自体が呪いになっているんですかね。じゃあこれ、早めに対処した方が良いかもしれません」

　ガリオンが手渡してきた紙切れを受け取る。懐に入っていたからか、少し生暖かい。ロレッタはそれをよく見る。呪われた物品であるとはとても思えない、少し古いだけの普通の紙切れのようである。

　ロレッタは受け取った紙切れをポケットに入れて、改めてガリオンを見る。本当にどこにも怪我したような様子はなさそうだ……いや。よく見るとおかしいところがある。目を擦っていたり半目だったりで分かりづらかったが、目に違和感がある。

「ガリオンちゃん、目が……」

　ガリオンの目は、変色していた。赤黒いような、血液のような色をしている。

　ガリオンはああ、と笑った。

「目玉が傷付いちゃったんですよね。でも大丈夫ですよ、別に失明したわけでもないですし。……それとも、もしかして変な色になってるんですか？ごめんなさい、もう分からないんですよね」

　何が分からないと言っているのか……ロレッタは理解した。恐らく、ガリオンは色が分からなくなったのだろう。ガリオンの赤い目は、どこか濁っているように見えた。