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「これ、どこの言語かなぁって。意味も知りたいんです」

 薄汚れた紙切れだった。かなり古びており、いくつものしみができている。そしてその紙切れに、茶色っぽい文字で何かの言葉が書いてあった。ゲルマン語派ではない。曲線と直線が合わさった、独特な言語。本当に言語なのか分からないが、恐らく言語なのだろう。ただ三文字だけ書き込まれている。

「ロレッタさん、これって何か知りません?」

 ロレッタは軽く首をかしげた。これは、何だろう。

「うーん……ごめん、分からないかも。これ、どこで手に入れたの?」

「サマーホリデーに実家に戻ったんですけど、学校に帰る時にお父様……あ、父から。父から渡されたんです。袋に入れられて。特別なアミュレットだって言われたんですよね」

 入ってた袋は捨てちゃいました。そんなにおかしいところもない、普通の袋だったし。ガリオンはそう続けた。

「手伝おうか?」

「良いんですか?じゃあ、お願いします。私、調べ物とか苦手で。それにほら、この図書館って広いじゃないですか。どこにどんな本があるのか全然さっぱりなんですよね」

 ガリオンは肩を竦めてみせた。ロレッタはその紙切れに書いてある言語を、自分のノートにメモする。純粋に気になったのだ。

「私はしばらく図書館にいると思います。もし何か分かったら教えてください」

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年5月2日 12時

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