【派生作品】まがれまがれ、ガリオンよ (ページ7)

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「この文字が？」

　ワタソンはロレッタに手渡された紙を見る。ガリオンに見せてもらった紙切れの文字を写したものだ。ロレッタから一通りの話を聞いて、ふむと唸る。

「人間界のジャパン、か。調べてみよう。いやはや、きみ、ありがとう！これは私の学者としてのカンというやつなんだがね、どうもこれは非常に興味深いものになりそうだ！」

「ありがとうございます」

　ワタソンは嬉しそうに紙を受け取って、上着のポケットにしまい込む。高揚が抑えられないようで、その顔には眩しいくらいの笑みが浮かんでいる。

　ロレッタは廊下に出て、図書館へ行く。ガリオンの様子を見に行ったのだが、図書館にガリオンはいなかった。図書館にいたのは、やはりあの文字の意味を調べるためだったのだろう。

　いるとしたらウィズドレッジの寮室だろうか。だが自分の所属する寮以外の寮への立ち入りは禁止されている。使い魔のフェレットであるデイヴィットに手紙を頼もうかとも思ったが、わざわざ知らせるまでもないだろう。もし次に会った時に伝えれば良いだろうか。

　窓から外を見る。段々と太陽が沈んでいっているのが分かった。早めに食堂で夕食を摂って、寮室に戻ろう。

　明日は魔法薬学の小テストと実技の演習がある。あまり得意ではない科目であるし、勉強をして少しでも良い点を取りたかった。特に匂いがきつい薬品の精製をしなくてはならないし、鼻栓か何かでも持っていこうかな、など考えながら、ロレッタは欠伸を一つした。

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