. ページ13
今日はAとショッピングに行った。
が、目の前に座っている彼女は浮かない顔をしている。
｢そんなに落ち込まなくてもいいんじゃないですか？｣
私は彼女の気分を変えようと、そうフォローしてみたが、効果はイマイチだったみたいだ。
なぜ、彼女がここまでしょげているのか。それは、先程起こった【ある事】が原因だった。
『落ち込みますよ.....建人さんの誕生日7月なのに、早く渡すことになっちゃったし...。』
このショッピングデートに誘ったのは彼女だったのだが、それはどうやら、もうすぐ誕生日を迎える私の欲しい物を探ろうとしての計画だったらしい。
しかしその計画は、先程失敗に終わっていた。
私としては、彼女が必死に考えてここまでやってくれること自体が嬉しいので、正直、誕生日当日じゃないことなんてどうでもよかった。
｢数日の違いじゃないですか。私は貴方から頂いた物だったら何でも、何時でも嬉しいですよ。｣
『そういう問題じゃないです.........。』
私にとってはどうでもよくても、彼女にとってはどうでもよくないみたいだ。
そうやって私の事を大切に思ってくれる貴方のことが、やっぱり私はどうしようもなく愛おしい。
だけれど、いい加減、Aには元気を出してもらいたい。
何か良い案は無いだろうか。
うーん.....彼女に手料理を作ってくれと頼んでみるか？けれど、普通の食事ならいつも作ってくれているし。
いや、一つだけあった。まだ彼女に作ってもらっていないもの。
私はそれを彼女に提案することにした。
｢だったら、私の誕生日にパンを作って貰えませんか。｣
『パン、ですか？』
彼女は少し困った顔をしている。あまりにも急な話だったか？いや、でも、彼女の手作りパンは1度だけでもいいから食べてみたい。
｢はい、結構手間がかかるとは思いますが.......そこは誕生日を使った我儘という事で多目に見てもらって。それと、出来れば──｣
その先の言葉を言うことに、私は少し躊躇したけれど、結局言う必要は無かった。
『カスクートが良い、ですよね？』
なんせ、私が言いたかったことを彼女が当てたのだから。
｢よくご存知で。さすが貴方です。ということで作って貰えますか？｣
彼女は笑顔で
｢もちろんです！｣
そう答えてくれた。
そんな可愛い笑顔に、誕生日プレゼントは貴方でも良いんですよ、そう思ったのはAには秘密だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
no non(プロフ) - 森さん» ありがとうございます:)うああ！めちゃくちゃ嬉しいです泣ありがとうございます！！ (2022年3月2日 9時) (
レス) id: de80b1f653 (このIDを非表示/違反報告)
森 - ↓そうです❗そういうことです❗読解力半端ないッスね❗ めっちゃ面白かったんで二回目見に来ました❗ (2022年3月1日 1時) (レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
no non(プロフ) - 森さん» コメントありがとうございます(;▽;)無いって10月31日だけ全部書いてないみたいなことですよね(書いてる本人なのに語彙力なし民)そうです、お察しの通りです…泣少しでも楽しんで頂けたなら嬉しいです＊この度はありがとうございました:) (2022年2月2日 13時) (レス) id: de80b1f653 (このIDを非表示/違反報告)
森 - ↓いや、あるんですけど何て言うか…(語彙力) (2022年2月1日 21時) (レス) @page20 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
森 - おおっ!すごい!あと、10月31日が無いのはもしかしt(( (2022年2月1日 21時) (レス) @page3 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：no non | 作成日時：2021年5月27日 22時
