・ ページ4
これでもし、「気まぐれ」とか「偶々」なんて言われたらどうしよう…
いや、まず場地くんが私に声を掛けてくれた事を覚えてるかどうかが問題なのでは?
さも当然かのように、私に声を掛けたのが前提で質問したけど、これ相手が覚えてなかったら、ただの痛いヤツじゃん…
なんて、言ってから後悔している私に、彼は少し考えた素振りを見せた後に、
「…あー、なんか気付いたらお前の事ばっか見てんだよな。だから、気づいたっつーか…。何で俺もお前の事ばっか気になんのか、分かんねぇんだよな」
と、恥ずかしげもなく答えたてくれた
まさか、そんな返答がくるとは思ってなかった私は、不意打ちを食らって固まってしまった
急に黙り込んだ私を不思議に思ったのか、場地くんは「おい、どーした?どっか痛ぇんか?」と私の顔を覗き込んできたが、そこで漸く我に返った私は、慌てて顔を逸らした
『う、うん!大丈夫!』
「それにしては動揺しすぎだろ」
『べ、べつにぃ?!動揺なんかしてませんが?!』
「でも、お前いつもとおかしくね?全然俺の方見ねぇじゃん」
『気のせいじゃない?!うん、きっとそうだよ!!あ!ほら!猫ちゃん達待ってるよ?!行かなくていいの?!』
私の必死さが伝わったのか、それ以上聞くことはしてこなかったけど、ちょっと不服そうにしながら、猫達の方に行ってくれた
『気付いたら見てた、ねぇ…』
まさか、場地くんがそんなこと言うとは思ってなかったな…
言われた瞬間、心が暖かくなった気がした
どうして心がこんな風になるのかは、今の私にはまだ分からない
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:愛@14時間後の麺はパスタ | 作成日時:2023年1月30日 1時