終。04 ページ4
「はい、じゃあ今日はここまでにしよっかー」
自己紹介もなんとか終えて、今日はお開きとなった。
みんな仲良くなったばかりというのに、
仲良さげに帰って行く。
「じゃーな、A」
「うん、ばいばい」
前の席の水鳥は、鞄を肩に下げてそそくさと教室を出て行った。
ふと浪川くんの席を見てみると、彼の姿はもうなかった。
この学校は割と近場から来ている生徒が多いらしい。
自転車が群れのように私を過ぎて行く。
バス停まで行くと、バス停には誰も居らず、私だけがその場に居た。
スマホの画面を開いてロック解除した途端、後ろから猫の声が聴こえてきた。
なんとなく振り向いてみると、小さな白い猫が男子生徒に手を差し伸べられている。
彼が恐る恐る近付くと、猫は警戒しているようで、後退りをする。
等々猫に触れようとした時ーー
「シャーッ!」
猫がその鋭い爪で彼の手を引っ掻いた。
「ってええ!!!」
普段は低いであろうと思われる声も、
あまりの痛さに裏返ってしまっている。
( 猫をなめちゃいけないんだよなあ )
「うおー血ィ出てきた……」
涙ぐんだような声が聞こえ、やれやれと鞄の中に放置してあるポーチから絆創膏を取り出す。
そして、
「大丈夫ですか?これどうぞ」
それを彼に与えた。
「え?あ、おう。悪い……」
( あ…… )
聞き覚えのある声だと思ってはいたんだ。
「あ、同じクラスのーー」
彼も私に気づいてくれたみたいだ。
「……浪川くん」
.
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トラック3号(プロフ) - 佐倉 照:Reさん» まじですか!宜しくお願いします! (2015年9月25日 23時) (レス) id: 886ceede30 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照:Re(プロフ) - トラック3号さん» ありがとうございます^^こっちは終わってしまいましたが、イナズマは書き続けるのでこれからもよろしくです! (2015年9月25日 11時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
トラック3号(プロフ) - おわっちゃったんですか…おーいおい泣 思春期男子いつも楽しみに見ていました!キャーキャー叫んでました((とても面白かったです!完結おめでとうございます! (2015年9月24日 3時) (レス) id: 886ceede30 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照:Re(プロフ) - 星ヶ咲 眞弥さん» そうなんですか!そうでしたか、ありがとうございます^^ (2015年9月6日 0時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照:Re(プロフ) - 亜依斗(*・ω・)ノ☆AITOだお☆さん» ありがとうございます^^嬉しいです! (2015年9月6日 0時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
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