「馬鹿やろー＿＿＿＿思春期男子、なめんなよ」- 浪川 蓮助 -

終。22 ページ22

「……」


単純に、腰が痛いからだと思った。

動けないから、そう言った。


そう思い、私は何も言わずに従った。

すると浪川くんは両手を握って私を見上げる。


( なんか、可愛い )

なんて思ったり。




「……俺、Aさんが好きだ」

「っ！」



びっくりした。
いきなり告白されて、しかも二回目で。

それに……さん付け。



「強引だったと思って。
でもよ、始業式の日、話して……絆創膏もらって。

帰ってよく考えてみたらさ、すげー嬉しくて」



顔は少し赤かった。

だけど、とても真剣な瞳で、何も言葉が出てこない。




「気になってて、ずっと……。
話題ねーかって、いろいろ悩んだりして。
『さよなら』って笑顔で言ってくれて、そこでまじ惚れして」



違う。




「いざ告白して、付き合ってくれて、すげー嬉しい」



違うよ。




「さっきは悪い。なんか焦ってたかも。
南沢と話してたりしてて……すげー妬いたから」



違うんだよ。



「なあ、Aは？」




ごめん。


私、このまま浪川くんと付き合ってるのって、すごくおかしいと思うんだ。

自分を、本当に嫌いになりそうで。





「ごめん、浪川くん……っ」








ここにきて、



篤志先輩の言葉がフラッシュバック。


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