NKSG学園ですって、知らないですよね【usss】 (ページ3)

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三話ページ3

セ「なんや緊張してんの？Aらしくない」

『……………へ？』

セ「はは、間抜けな顔やなぁ」

強く握りしめていたために痕がついてしまった右手を、彼はそっと包み込んだ。

女性みたいな綺麗な手が小さな私の手を包む事で、男性の大きな手であった事を改めて認識させられる。

戸惑って固まる私の手を引くと、彼は入学式の会場へと急いだ。

私の手を引く彼の手は人形の様に冷たくて、でも胸から溢れる暖かい何かは止まらなくて。

『あまりの温度差に風邪引きそう…』

セ「ホンマや顔赤いな……保健室行く？俺先生に言って((」

『い、いいよ大丈夫!!ゲンキデタ!!!』

セ「何でカタコトなんや…」

時々心配そうに振り返る彼にニッコリと笑顔を返していると、ようやく会場が見えてくる。

私達の前にも数人いて、急いでいた彼らも次々と入っていった。

私達も入ろうとした次の瞬間ドゴッという鈍い音が聞こえたかと思えば、先程の彼らが私達を通り過ぎて後ろの壁に叩きつけられているのが見える。

？「時間ギリギリに来るとは見上げたもんやな、新入生ちゃん達？」

紫色の髪を揺らして奥から出てきた彼はそう言った。

『し、志麻さんだ…』

セ「え、Aこの人の事知ってるん…!？」

知ってるも何も、一匹狼で有名な月崎志麻さんじゃないですか…！

魔力が無いから拳で全モンスターをねじ伏せるといった偉業を成し遂げたこの男。

毒耐性バカ高いから、よくお世話になったわ…

志「俺の名前知ってるんか。じゃあ自己紹介はお互いいらんな？俺お前らの事知る必要ないし」

『いや！あの((』

セ「A危ない…!!」

金髪の彼に突然突き飛ばされたかと思えば、直後私がいた場所はメキメキと音を立ててひび割れる。

…コンクリートだったのに。

チラリと煙の中で紫髪の彼が笑っているのが見えた。

志「今年の新入生はつまらんって聞いたけど。なんや、少しは出来る奴もおるんやね」

セ「ぐっ…そりゃどうも…‼」

センラさんが回し蹴りをしたらしく、煙が裂かれたかと思えば、志麻さんに足を掴まれて動けなくなっている金髪の彼が見えた。

志「さっきのを避けさせたのは直感か？それとも何かの能力か？」

セ「…直感です。それより早く退いて貰えません？急いでるんですけど…!!」

志「っと危ない。ま、俺を倒せたら考えてやってもええで？…無理やと思うけど」

二人の激闘を見ていてふと思い出す。

これは、ゲームの第一の難所"対志麻戦"だ……!!