二話 ページ2
『……これは、夢か…!!』
セ「ふざけた事言ってないでいい加減起きや。遅刻しかけてるんやで?」
空飛ぶバイクに美青年の幼馴染。
このファンタスティックな日常を夢じゃないとするならば、どう理解すればいいの?
でも、この欲望の具現化みたいな状況……嫌いじゃない。
セ「お、見えてきた。A見える?あれが今日から通うNKSG学園やで」
『おぉ綺麗。………あれ、見た事があるような…?』
セ「そらあるやろ。NKSG学園はここ"アミン"の顔みたいなモンやしね」
『うん…(アミン?)』
ここって日本じゃないの…?
そういえば、アミンって確かゲームの国名じゃなかったっけ。
えーと確か…"NKSG学園"っていうアドベンチャーゲームの……て、あれ?
私は慌てて金髪の彼の肩を掴む。
『セ、センラさん、今何年でしたっけ⁉』
セ「ちょ…危ないって。…今は3052年や、危ないからちゃんと座っとき」
3052年…NKSG学園と同じ時代。
そして目の前にそびえ立つ、ゲームの学園と瓜二つの学園。
この事から予測するに……私転生しちゃった?
いやいやいや!そんなの現実で起こる訳がないでしょ!
それに、私まだ死んでな−−ーーー
【あ、やっぱりカレーが食べた___
_ドンッ__
あれ?
なんで?
「(私、倒れて…?)」
――――――――――ブチッ――】
『…私死んでるじゃん、嘘じゃん…』
セ「大丈夫死んでへん。さ、着いたで」
センラさんはそう言ってゆっくりと降下すると噴水の近くで駐車した。
下から見上げる城の様な学園には独特な圧迫感がある。
しかし彼はチラリとそちらを見上げたきりで、スタスタと校舎の方へ歩いていってしまった。
私は慌てて彼の後をついていく。
折原 センラ。
彼は主人公の幼馴染で、元人形というぶっ飛んだ設定を持ったNKSG学園屈指の人気を誇るキャラクターだ。
魔力はある。
でも実際は魔法より物理の方が強くて、魔法が効かない魔物でもいけるバランス型なんだよね〜。
そしていくら回しても全然出ないんだよね〜。
あまりの人気に運営が嫉妬しちゃったのかな〜?
『うんうん、懐かしいな〜』
セ「…A来た事あったん?ここ」
『ないよ』
セ「怖っ、急に真顔になんなや」
どうやら今の私は主人公の立ち位置にいるらしい。
ならば、ちゃんと主人公を演じてこの物語の歯車にならなければ…!!
私は静かに拳を握りしめると、異様な威圧感のあるこの学園に足を踏み入れていった。
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作成日時:2022年1月17日 5時