楽しみな朝 ページ3
チチチ...チチチ...。
カーテンが一人でに開き、窓が開く。水色の小鳥が顔を出し、その部屋で眠る二人の子供に鳴いた。
「んぅ...朝か」
ふああ、と欠伸をしながらベッドから起きて、小鳥たちに餌を渡す。
嬉しそうに羽ばたって行った小鳥たちを見送った後は、私の隣に眠っているオレンジ色の髪の兄を起こす。
「お兄ちゃん、朝。おーい」
ゆさゆさと体を揺さぶれば、ぱちりと瞼が開いた。相変わらず寝起きの良い兄である。
「おはよう、A」
「全く、いつになったら一人で起きられるのよ。ホグワーツではこうも行かないのに...」
呑気に笑う兄に頬を膨らませれば、はははと頭を撫でられた。
文句言ってるけど、いつも起こしてくれるでしょ?と悪戯っぽく言う兄を睨みながら階段を降りると、リビングには両親がいた。
「おはよう、和人、A」
「おはよう、お父さん、お母さん」
うちの両親は美男美女であり、とても仲が良い。かくいう私も、兄とは喧嘩を一度もしたことがないのだが。
テーブルにはバターロール、シーザーサラダ、コーンスープなど洋風の朝ごはんが並んでいた。
起きているくせに寝惚けたふりをするお兄ちゃんを椅子に座らせる。お兄ちゃんは演技が上手いのだ。
「頂きます」
モシャモシャと朝ごはんを食べていると、お父さんが私たちを見た。
「二人とも、ホグワーツへ行く準備は出来ているのか?」
信じられない話かもしれないが、私のお父さんとお母さんは魔法使いだ。この世界では、魔法使いの血を持つ人を『純血』、持たないものを『マグル』と呼んでいる。基本的に、マグルは魔法の存在を知る人がほとんど居ない。
たまにマグルから魔法使いの子供が産まれることもあるが、ホグワーツからの招待状が届くまでは自分が魔法使いだということを知らないことが多い。
そして、ホグワーツ。世界でも指折りの、全寮制の魔法学校である。
そこには４つの寮があり、入学したときに組分けされる。
うちは両親共にホグワーツ出身のため、私とお兄ちゃんはそこに通うことになっているのだ。
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作者名：アリス | 作成日時：2021年1月19日 20時
