23話 光となって ページ27
試練が始まって、半年が経った。
未だに木は消せていない。
でも、進展はあった。
「...あ、ここ、柔いところ」
だんだん、木の生態がわかって来た。
固くて斬りづらいところ、柔くて斬り易いところが、視覚や嗅覚で感じとれる様になって来たのだ。
それが分かる様になってから、練習用の木がずいぶん斬り易くなった。
それから、真菰に『全集中の呼吸』というのも教えてもらった。
なので、今は全集中の呼吸を習得出来る様にしている。
真菰の言っていた通りに、肺を大きくする感じで酸素を取り込む。
そのまま、その辺に落ちていた葉っぱを斬った。
すると、
「...え?」
真っ二つになった葉っぱが、きらきらと光の粒の様になる。その後、ふわふわと空へ昇っていった。
...え、今、何が起きた?
私が状況を理解するより、体の疲れの方が速かったらしい。
ぐらりと視界が揺れ、地面に倒れ込む。
...今のが、『消す』って事?
葉っぱは、一寸程度のとても小さいものだった。そんな小さいもので体が悲鳴を上げているのに、私の身長の六倍ほどある木を消せるだろうか。
倒れたまま、むーんと考える。
「...何を、している」
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アリス - ミライノミチさん» ありがとうございます。とても励みになります。そのうち恋愛を増やしていくので、待って頂けたら泣いてバック転して喜びます。 (2020年11月23日 17時) (レス) id: e28dd41caa (このIDを非表示/違反報告)
ミライノミチ - 面白いです。いつも更新楽しみにしております。これからも頑張ってください。 (2020年11月23日 14時) (レス) id: 6244c3b093 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/EHL/
作成日時:2020年10月17日 15時