episode 39 ページ39
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「…でも紫耀は紫耀だって分かって、安心した」
「うん」
これからも紫耀らしく頑張ってね、って優しく笑ってくれたAちゃんが、空になった湯呑みを持って立ち上がる。
「紫耀、夜ご飯何食べたい?」
当たり前のようにそう聞いてくれたのは、みんなが帰ってくる前に夕飯の支度をするかららしい。
「えっと…ピ、ピーマンの肉詰めっ!」
「了解(笑)」
「あ、手伝います!」
冷蔵庫を開けて食材を確認し始めたAちゃんの横に立って、取り出されたピーマンとかを抱える俺。
料理とかそんなにしたことないから、言われた通りに動くだけやけど、
「そういえば紫耀ってまだあの食べ方してるの?」
「あの食べ方?」
「うん、なんか合体するやつ」
「あっ、してるわ」
「あれってどうやって食べてるんだっけ?」
「右のほっぺにお肉、左にごはん入れて喉で合体させんねん」
「そうそれだ!思い出した!笑」
「最初はみんなにびっくりされる」
「だってそんな食べ方してるの紫耀ぐらいじゃない?笑」
「癖なんかなぁ〜昔からずっとしてるわ(笑)」
こんな風に話しながらできるなら、料理するのも楽しく思えて。
「「ただいま〜」」
「「おかえりなさい!」」
「ちょうど良かった、今ご飯できたんすよ」
あっという間に時間は過ぎて、いい匂いが鼻腔をくすぐる。
その匂いにつられるように帰ってきたみんなの表情が、Aちゃんの顔を見た途端にホッと緩んだことは…たぶん俺しか気付いてないやろな。
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未来奈(プロフ) - なんだかとてつもなく頭を使った気がします。コメントも纏まらずめちゃくちゃでごめんなさい。すごく大好きな物語です。ありがとうございました。 (2017年10月23日 0時) (レス) id: d1bb082a8c (このIDを非表示/違反報告)
未来奈(プロフ) - 過去があって今があって、それで未来が創られていくという事。自分という存在は自分だけで存在している訳ではないという事。自分を重ねたり、別の誰かを重ねたり、古い記憶を重ねたり。。涙を流したり。 (2017年10月23日 0時) (レス) id: d1bb082a8c (このIDを非表示/違反報告)
未来奈(プロフ) - なんて表現すればいいのかわかりませんが。。。一番最初の話からここまで、全て通しで読んだんです。そしたら、すごくいろんな感情が渦巻いたというか、動いた、揺さぶられたというか。自分の在り方について考えさられました。 (2017年10月23日 0時) (レス) id: d1bb082a8c (このIDを非表示/違反報告)
高一女子ジャニヲタ - そんな大きな、大事な事にいつもいつも気付かせてくれるみぃさん、みぃさんの書くお話に本当に本当に感謝です。みぃさんもお仕事やプライベート、お忙しいかと思いますが,このお話は私の大切な道標,心の拠り所です。みぃさんが楽しんで書いて頂きたいと思います(^^) (2017年7月26日 16時) (レス) id: b4e78d5976 (このIDを非表示/違反報告)
高一女子ジャニヲタ - 自分が納得出来る答え、言い訳は見つかりませんでした。けどやっぱり道標になる言葉は今作の言葉でした。やっぱり好きなんやって。好きやから続けられるんやって。人が何て言っても良いんかなって。むしろそれが自分が頑張る一番大きい、誇れる理由になるんかなって。 (2017年7月26日 16時) (レス) id: b4e78d5976 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぃ | 作成日時:2017年5月30日 12時