episode 16 ページ16
＊
「こっちに来い。お前も、」
俺を手招きしたマスターは、“ あの人 ”のことも呼んだ。
カウンターの椅子に、“ あの人 ”と一緒に腰掛ける。
“ あの人 ”と俺の間にある３つの空席が意味するのは、俺に対する警戒心か…面倒臭さのどっちかやろな。
「話ってなんだ」
さっきとは違うグラスを持ったマスターが、渋い声で聞いてくれたから、
「……えっと、お二方って…」
“ 何者なんですか…？”
率直に、聞いた。
そしたら、
「……お前はどう思う？お前には、」
“ どう見えてる…？ ”
逆に、そう聞かれた。
「どうって…」
まさか聞き返されるなんて思ってへんかったから、一瞬頭の中でその質問を反芻させる。
たぶんここで答えを当たり障りのないものに誤魔化してみたところで、この人達には通用しないような気はした。
嘘ついてんなって見破られるか、勝手にそう思っといたらええわって見限られるか。
だとしたら、どっちにしても俺にとってはあんまり都合はよろしくない。
やから、
「……裏の世界に、片足ぐらいは突っ込んでそうやな、って…」
馬鹿正直に、そう答えた。
その答え方が間違ってへんかったって気付けたのは、
「…片足だけならかわいいもんだ」
そう言って、またマスターが笑ったから。
「でも、そんなことを聞いてどうする？」
警察にでも言うのか？ってマスターは俺をちゃかしてるつもりだろうけど、声が渋すぎるせいで威圧的に感じるから困った。
せやけど、
「そんなつもりはないです！ただ、気になって」
まぁどっちにしろもう引き下がれないのは決まってるから、
「僕、なんか引きつけられたんすよ。ここんとこずっと淡々とした生活しかしてなくて、ほんまにおもんなくて」
なるようになるやろ、って思って、
「でも昨日…“ お兄さん ”に会って、久しぶりに気持ちが動いたってゆうか…好奇心？がこう…ぞわぞわってして！」
上手いこと説明できへんけど、この変な高揚感を伝えてみた。
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未来奈(プロフ) - なんだかとてつもなく頭を使った気がします。コメントも纏まらずめちゃくちゃでごめんなさい。すごく大好きな物語です。ありがとうございました。 (2017年10月23日 0時) (
レス) id: d1bb082a8c (このIDを非表示/違反報告)
未来奈(プロフ) - 過去があって今があって、それで未来が創られていくという事。自分という存在は自分だけで存在している訳ではないという事。自分を重ねたり、別の誰かを重ねたり、古い記憶を重ねたり。。涙を流したり。 (2017年10月23日 0時) (レス) id: d1bb082a8c (このIDを非表示/違反報告)
未来奈(プロフ) - なんて表現すればいいのかわかりませんが。。。一番最初の話からここまで、全て通しで読んだんです。そしたら、すごくいろんな感情が渦巻いたというか、動いた、揺さぶられたというか。自分の在り方について考えさられました。 (2017年10月23日 0時) (レス) id: d1bb082a8c (このIDを非表示/違反報告)
高一女子ジャニヲタ - そんな大きな、大事な事にいつもいつも気付かせてくれるみぃさん、みぃさんの書くお話に本当に本当に感謝です。みぃさんもお仕事やプライベート、お忙しいかと思いますが，このお話は私の大切な道標，心の拠り所です｡みぃさんが楽しんで書いて頂きたいと思います(^^) (2017年7月26日 16時) (レス) id: b4e78d5976 (このIDを非表示/違反報告)
高一女子ジャニヲタ - 自分が納得出来る答え、言い訳は見つかりませんでした。けどやっぱり道標になる言葉は今作の言葉でした。やっぱり好きなんやって。好きやから続けられるんやって。人が何て言っても良いんかなって。むしろそれが自分が頑張る一番大きい、誇れる理由になるんかなって。 (2017年7月26日 16時) (レス) id: b4e78d5976 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぃ
| 作成日時：2017年5月30日 12時
