ひとりじゃないんだ。 (ページ7)

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『助けて』ページ7

？？｢おい、いい加減にしろよ。｣

『･･････』

？？｢いつまでそういう生活してるつもり。｣

『･････････』

？？｢俺知ってる。お前が真夜中になってわんわん泣いてんの。本当は普通に話したいってのも知ってる。普通に接してほしい。誰か助けて。って。もう2ヶ月同じ部屋にいたらわかんだよ。｣

『･････････あんたになにがわかんのよ！
家族に捨てられ、名前も変わって、大切な人も失って。どんだけ苦しいことかわかんないでしょ！！』

『家族もいない、大切な人もいない、友達もいない、、そんな私の気持ちが･･･!!』

バシッ

え、、なに？？なんか、殴られた、の？

？？｢いつまでそんなこと言ってりゃ気が済むんだよ！！お前がどんなに苦しいか、おれは死ぬほどわかる。だって･･･だって、、俺も家族いないから。友達もいない。もちろん大切な人だっていない。辛いよな。苦しいよな。おまけにわけにわかんない病気になんかなって。｣

え、、嘘でしょ･･･

？？｢だから俺がお前のすべてになってやる。お前の友達にもなる。大切な人にもなる。そして･･･家族にもなってやる。｣

？？｢だから･･･もう意地なんか張るのやめて、普通に笑えよ。普通に怒って、泣いて、、たくさん、心見せてくれよ、、大丈夫。俺がいるから。｣

なんでだろう･･･

この人だったら助けてくれる気がした。

この人だったら、私を暗闇の中から救い出してくれる気がした。

『･･･助けて。』

？？｢･･･｣

『･･･お願い･･･助けて。』

彼は私をそっと抱きしめた

『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ！！！！！』

あったかかった。人間ってこんなにあったかいんだ。久しぶりに感じた。人の温もりを。優しさを。

私は力の限りいっぱい泣いた。

すると、すっごく強い力で抱きしめてくれたんだ。

何時間も。ただただずっと。

これがシゲとの初めての出会いだった。

シゲはとにかく暖かかった。

でも、その温もりのどこかに寂しさを感じた。

守ってあげようと思った。

この人を救ってあげたいと思った。