71羽目【壊れていく日常】 ページ25
町のビルの映像が、将ちゃんが亡くなったことを告げる
町民は驚き、泣く者もあればただそこに呆然と立ち尽くしている者も。
私たち真選組は将ちゃんのお葬式の護衛についていた
将ちゃんが死んだ時から、私は何も感じなくなった
涙一つ出ない。
まるで、感情が無くなったよう。
そして今日の任務には、ゴリラが来なかった
何故かと問いたかったが、とても悲しそうな顔をしていて、躊躇した
葬式場へ向かう行列の先頭に、真っ黒な着物を着たそよちゃん
その顔は、兄が亡くなったことを悲しむ顔
以前の私なら一緒に悲しんでいただろう
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葬式場に着き、棺が燃やされていく
私はその時、初めて涙を流した
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沖田「……急に泣いたから、びっくりしたぜ」
A「ん……ごめんなさい」
沖田「怒ってねェよ。最近、お前が感情を表に出さねェから驚いただけでィ」
総悟は私の手を取って、車に乗せた
これから、屯所に帰る
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車に酔わないよう、外の景色を眺める
今日の空はどんよりとした曇り空
鉛のような灰色の曇。
今にも雨が降り出し、町を冷たくしてしまいそうだ
そんな時、対向車線を通った車に見覚えのある顔が
A「……あれって」
小さく呟く
トシと総悟も驚いている
見廻組、そう書かれたワゴン車に乗っていた男
……………………近藤勲の姿を見て
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屯所に着くと見廻組の隊士が、私たちを屯所に入れることを拒む
それを見て真選組の隊士が必死に入ろうと門の前で争っている
私と総悟とトシは、その光景を見たまま呆然としていた
そんな時、ふいにゆっくりとこちらに近づく足音が聞こえた
その主は、銀色の髪の毛に白い着流しと黒い服を着た男
……銀時だった
俯いたままこちらに近づき、
「すまねぇ」
そう言って立ち去った
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作者名:珠優 | 作成日時:2018年3月15日 19時