May I help you ？ ページ1
語り手side
──……チリィーン♪チリィーン♪
可愛らしい鈴の音が、静かな店の中に響く。
おや？どうやら、お客様がいらしたようだ。
お客様はゆっくりと慎重に店の中に足を踏み入れる。迷子のように。
｢あの…誰か、誰か、居ませんか〜…？｣
キョロキョロと辺りを警戒しながら、小さな声でお客様が、店員を呼ぶ。
まるで、お化け屋敷に入ったような警戒っぷり。
すると、電気のパチッという音と共に店が明るく照らされる。
｢きゃっ！？｣
突然、暗闇から明るくなったのが驚いたのか、お客様が悲鳴を短くあげた。
その悲鳴を聞いて、慌てて、店員が店の奥から出てくる。
｢す、スイマセン！｣
慌てて奥から出てきた店員の少年の頭には蜘蛛の巣がベッタリと張り付いていた。
掃除でもしていたのだろう。ホコリも付いている。
｢ぁの、蜘蛛の巣が………｣
｢…？……アァ！？｣
お客様に指を差され、首を一瞬傾げた少年。
ペタリと頭に触れて、ようやく蜘蛛の巣が頭に張り付いていることを分かったのか、奇声を発した。
少年は、蜘蛛の巣を頭から取り、お客様が来たことを店主に知らせる。
｢ちょっ、花さーん！？お客さんが来ましたよ！｣
直後、階段から、一人の少女が降りてくる。
コツコツと靴音を響かせ、長いツインテールを揺らす店主様のご登場だ。
次第にお客様の口がぽかーんと開き、目がぐるぐると回る。ふむ、どうやら店主様の登場に最早ついていけてないらしい。
｢そんなに大きな声で呼ばなくても大丈夫だから。｣
店員に軽く注意をし、店主が、店員からお客様へと目を移す。
下から上までじっくりと見られ、冷や汗を流すお客様。追い詰められたネズミみたいにお客様が涙目に、震え始めた時、
店主は、そんなお客様に、にこりと微笑んだ。
｢いらっしゃいませ。何をお探しですか？
この【摩訶不思議なお店屋】で。｣
と言った。
さぁ、このお客様は何を求めてこの店にきたのか。
強欲、貪欲。
どんな欲や感情に揺さぶられて、はたまた、どんな因果があってここに辿り着いたのか。
カタッ…
？、あぁ、忙しない商品たちが、震え始めたらしい。さぁ、次のページへと進もうじゃないか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ネリエル@リリス(プロフ) - その友達さん» その友、ありがとう(*^^*)他の作品の更新も頑張って、完結させるよ！ (2015年8月18日 12時) (
レス) id: fe439ec553 (このIDを非表示/違反報告)
その友達 - ネリエル@リリスさん» 遅れたけど完結おめでとう！！最後のほうとってもこわかったよ...。そして、おもしろっかた！！他の作品の更新、がんばってね！ (2015年8月17日 20時) (レス) id: 9d4239f958 (このIDを非表示/違反報告)
ネリエル@リリス(プロフ) - 紅侍@先輩がイケメンすぎて辛いさん» ありがとうございます、もうそんな風に言っていただけて嬉しくて泣きそうです(涙)私の方こそ、紅侍さんのような素敵な読者様に読んでいただいて本当に良かったです！ (2015年8月15日 21時) (レス) id: fe439ec553 (このIDを非表示/違反報告)
紅侍@先輩がイケメンすぎて辛い(プロフ) - ネリエル@リリスさん» 別に、作者さんの好きなところで終わればいいと思いますよ?本当に、最後までとても面白かったし。この作品の読書になれて、嬉しいです！ (2015年8月15日 17時) (レス) id: d64dcfdbce (このIDを非表示/違反報告)
ネリエル@リリス(プロフ) - 紅侍@先輩がイケメンすぎて辛いさん» コメントありがとうございます。紅侍@先輩がイケメンすぎて辛いさん、あまりお話が続かなくてすみませんでした(._.)ネタがきれてしまいまして……でも、無事に完結できて良かったです。摩訶不思議なお店屋さんを読んで頂き本当に感謝しています！ (2015年8月15日 16時) (レス) id: fe439ec553 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ネリエル＠リリス x他1人 | 作成日時：2015年6月3日 17時
