【あんスタ】レンゲソウをあなたへ【鳴上】

演技 ページ24

学校が早く終わって何となく目に入ったレシピを手に取ると、そこには焼き菓子の作り方が並んでいた。


冷蔵庫にたくさんある材料を使って、レシピ通り作ってみる。


オーブンから取り出して皿に盛ったところで、来客を告げるベルが鳴った。


カメラを覗くと、そこにいたのはナル子ちゃんで。


扉を開けると彼は嬉しそうに笑った。


何で来たんだろう。


用があったのかな。


それとも、私に会いに…？


ありえないと思いながらも夢のような想像が頭を巡る。


リビングに通して腰を落ち着けると、彼は「連絡先を交換したくて」とスマホを見せた。


いつも使っているアプリを開いてQRコードを読み取ってもらう。


届いた確認のメッセージはナル子ちゃんって感じがする。


私、顔赤くないかな。


ナル子ちゃんと二人きりってことに気付いて、赤くなりそうな頬を必死に抑える。


私は表情の小さな差異や目の揺らぎも許されないから、その辺りは訓練してきた。


赤くなる頬や揺らぎそうな目を偽って。


溢れそうな好きを隠す。


ナル子ちゃんにバレてないよね。

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