【あんスタ】レンゲソウをあなたへ【鳴上】

お姉ちゃんと親戚 ページ21

その日。


真緒ちゃんは、朝からアタシの隣にいた。



「真緒ちゃん、今日はどうしたの？どういう風の吹き回しかしら」


「ん〜、ちょっとな」



言葉を濁して笑う姿に、何か考えがあることを悟った。



「Aちゃん？」



途端に、真緒ちゃんの肩がビクリと跳ねた。


Aちゃんのことなのね。


でも、真緒ちゃんとAちゃんって関係あったかしら？



「…俺、Aの従兄弟みたいなもんなんだ。んで、あいつが初恋」



苦しそうに目を細めて、真緒ちゃんは弱々しく呟いた。



「…そう、なの…その言い方は、もう諦めてるってことかしら？」



アタシってこんな意地悪だったかしら。


悲しそうな真緒ちゃんの心を抉るような言葉を放ってる。


Aちゃんが絡んでるから？


多分そうね、絶対にそう。


諦めてるよ、と小さく呟いた真緒ちゃんをやんわりと抱き締める。


驚く真緒ちゃんに伝える。



「アタシがAちゃんを幸せにするから、待ってて」


「…ありがと。鳴上になら安心してAを任せられるよ」



そう言って胸板を押され、背中に回していた腕を外す。



「Aをよろしくな、鳴上」


「もちろんよ。任せておきなさい」




そう言っていた鳴上嵐が島崎優雅にAを託されることになるのは、この約五時間後。

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