二人のロミオ ページ19
浮かべていた笑みを消して言うと、優雅はほっとしたように胸を撫で下ろした。
訝しむような目で見る嵐に、微笑みながら優雅は言った。
良かった…と。
そして話し始めた。
「先輩は、あなたを支えとしているみたいなんです。そんな先輩の思いに答えられないようなら離れてもらおうと思ってました。でも、杞憂でしたね」
嬉しそうに笑う優雅に、嵐は毒気を抜かれた。
でも、とある疑問が浮かぶ。
少し前に真が教えてくれた話。
「優雅ちゃんって、Aちゃんが好きなんじゃなかったの?」
そう訊くと、優雅は寂しそうに笑った。
「確かに、A先輩が好きです。それでも…先輩を幸せにするのは、あなただから。僕じゃないって分かっているから」
この想いは、隠すんです。
そう言って微笑んだ。
「鳴上先輩を応援しています。A先輩を幸せにしてあげてください」
好きな人の幸せを願う、舞台上だけの飾られたロミオ。
希望を託された本当のロミオ。
どちらからともなく手を伸ばし、互いの肩を掴む。
「Aちゃんはアタシが幸せにする。だから…あの子の幸せを願っていて。アタシが、あの子を笑顔にする」
言葉の端々から漂う自信に、優雅は頼もしさを感じた。
よろしくお願いします、と自然に言葉が零れる。
「優雅ちゃんは、アタシがAちゃんを幸せにするのを待ってて。そして、一番に祝ってちょうだい。あの子の幸せを」
Aのために身を引いた優雅と、Aのために行動を起こす決意をした嵐。
二人の誓いは爽やかな風に溶けた。
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ふぉーる@あんスタ民(プロフ) - Renさん» この作品まで読んでくれてるとは…ありがとうございます!頑張りますね♪ (2016年3月3日 0時) (レス) id: e8157d34f2 (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2016年3月3日 0時) (レス) id: fb3e3617f8 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - 結弦の毒舌ワロタww (by25p) (2016年2月28日 1時) (レス) id: 50623d36ac (このIDを非表示/違反報告)
猫大好き娘カナタ(プロフ) - 凜月くんがいいでーす (2016年2月16日 21時) (レス) id: f4ce0a0d3b (このIDを非表示/違反報告)
ウミユリ(プロフ) - 演劇科の島崎優雅君でしたっけ……?ロミオ役の子がライバルだといいなーと思います|´-`)チラッ (2016年2月16日 19時) (レス) id: 99c69c867f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぉーる@あんスタ民 | 作成日時:2016年2月7日 1時