【あんスタ】レンゲソウをあなたへ【鳴上】

真緒 ページ17

「…それを聞いて、真緒はどうするの？」



自分でも冷たい声音だと分かる。


真緒は動揺したようで、言葉を無くした。



「私がもしナル子ちゃんのことが好きって言ったら、真緒は協力してくれるの？

そのつもりで聞いてるなら、私は好きじゃないって答えるよ」



少女漫画によくいる協力者。


この子がいたから〜なんてセリフ、何回も見た。


でも、よく考えたらその人と付き合えたのは自分だけの力じゃない。


そんなの、私は嫌。


自分の力で彼の隣に立ちたいでしょう？



『…それもそうだな。

協力するしないは置いといて、鳴上のことをどう思ってるかだけ教えてくれ』


「…好きだよ。

こんなに誰かを好きになったのは初めて」



そっか、とだけ言って、真緒は頑張れと告げた。


背中を押された気分。



「ありがとう、真緒」


『どーいたしまして。

んじゃ、早く寝ろよ？おやすみ』



プツンと切れた通話。


無機質な音がスピーカーから零れる。








「やっぱり、Aは鳴上が好きなんだな…っ」



通話をやめた真緒が涙を滲ませているなんて、私は知らない。

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