香らぬ…炭治郎 ページ2
無表情な人だと思った。
地面と、空中に血しぶきがあがる。その血を一切浴びずに立っている一人の女性に目が釘付けになる。鬼の血が付いた刀を払ってこちらを向くAさんは匂いがない。こんなことは初めてで少し――
「怖いか。」
「え…。」
「顔に出ている。」
Aさんはかんざしを揺らしながらつかつかと奥へ奥へと進んでいく。暗く、方向さえも測りかねる森の中を、どうやって迷いなく進んでいけるのか。
「……愛い奴。」
「…え？」
「怖がりながら、戸惑いながら、それでも私の後ろについてくる…愛い奴だ。」
「俺の事ですか？！」
夜の中でも目立つ白の羽織。背丈は俺より高く、それでいて肩幅は俺より狭い。目の前にいるはずなのに、今にも消えそうなほどに儚い。
「…炭治郎、いま鬼は何匹いると思う。」
「……二人です。」
「ふ、ふふ。鬼にも人の数えを使うか。」
「おかしい…ですか。」
振り返って本当にお前は愛い奴だ。そう言うとまた歩き出す。その時の表情も酷く無感情で、相変わらず匂いもない。今回は二人一組の団体任務だったから、Aさんの事をもっと知れるかと思ったが、不思議な人という事以外何もわからない。
「そんなに私の事が知りたいのか。」
「なんでそんなに考えてること分かるんですか。」
「表情、それから勘だ。」
表情といってもそこまで変わっていないはずなのに。
「ふふ、愛い奴。そら炭治郎、鬼だ。」
ふわりと香った今日一番強い匂いは、Aさんが楽しんでる匂いだった。
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羅威那(プロフ) - 狐好きさん» ありがとうございます。これからもがんばります。 (2019年8月26日 13時) (
レス) id: eebf109561 (このIDを非表示/違反報告)
狐好き - とっっっっってもこの作品好きです！！！更新頑張ってください！！！ (2019年8月26日 2時) (レス) id: 6592f6fd87 (このIDを非表示/違反報告)
羅威那(プロフ) - ミーさん» ありがとうございます。これからも邁進していきますのでよろしくお願い致します。 (2019年8月1日 19時) (レス) id: eebf109561 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - あなた様の鬼滅が見られるだなんて…!wrwrdのから大好きです!!更新頑張ってください！ (2019年8月1日 10時) (携帯から) (レス) id: 750b1e0df3 (このIDを非表示/違反報告)
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