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走って昇降口に向かう。
靴を履き替えたあいつがもう少しで校舎を出るところだった。
「おいてめぇ！！！」
女は肩をビクッと跳ねさせた。ただ、こちらを見る気配はない。
「･･･おい、」
いつまで経っても振り向かない背中にもう一度声をかける。
それでも動かない。
仕方なく近くに寄って肩を持ち、強引に振り返らせる。
辛そうな、今にも泣き出しそうな顔だった。
んな顔すんならさっさと正直に言えや。
「あんなんで、言った気になってんじゃねぇぞ」
差出人の名前もない、たった一言。
「俺が気づかねぇとでも思ったんか」
三年間、向けられ続けた視線に気づかない方がおかしい。
そう問い詰めても、こいつは俺の事を見上げて黙っているだけ。
何とか言えよ。
でも、臆病なのか何なのか、言う気はないらしい。
「てめぇが正直に言うまで離さねぇからな」
肩を掴んだ手にぐっと力を込める。
言え、早く。
面と向かって、こいつがどんな顔をして言うのか知りたかった。
寝言でも、視線でもない、ちゃんと目を見て言われたら、多分答えが出る。
『なんで、そんなこと言うの』
やっと口を開いたと思ったら、こちらを非難する言葉だった。
目に溜まった涙がもう零れそうだ。
構わずじっと女を見つめると、
やがて、観念したとばかりに息を漏らした。
そして、俺の顔を真っ直ぐに見据えて言う。
『爆豪くん、好きだよ』
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まかろんぐらたん(プロフ) - もうほんとにまじでこの作品大好きです！！！！！なんかこうグッっと来ます！！語彙力無くなるくらい本当に素敵な作品をありがとうございました！！ (8月8日 0時) (
レス) @page27 id: e1bc663be5 (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - いや、最後の言う言わない言え言っちまえのくだりからリアリティ感じてキュンキュンした。笑 短編にしたくて、というあとがき読んだのに、この後の2人想像してほしいかさんの書く続き読みたくなってしまいました。笑 (2023年2月8日 11時) (レス) @page27 id: 33510eeae8 (このIDを非表示/違反報告)
ほしいか(プロフ) - 赤の黒犬さん» 沢山コメント頂きありがとうございます！私も片想いの時間がすごい好きで、この作品に込めたので共感していただけて嬉しい限りです。 (2021年9月13日 23時) (レス) id: a5f699d2f4 (このIDを非表示/違反報告)
赤の黒犬 - 夢主が1度爆豪と会った時に、何でもない風に装うのがもう何というか恥ずかしながら己と似ていると言いますか……。教室で目で追っちゃうのが凄く分かります。皆には理解されなかったけど、片思いがどちゃくそ楽しかったのも共感出来ます。凄く良い作品でした。 (2021年8月7日 15時) (レス) id: d5158b45c8 (このIDを非表示/違反報告)
ほしいか(プロフ) - 朝日菜さん» そちらも呼んで頂いているなんて...！ありがとうございます！作者としてそれ以上の褒め言葉はありません(Ｔ▽Ｔ)こちらこそこれからもよろしくお願い致しますm(__)m (2021年2月5日 15時) (レス) id: a6bcddeca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほしいか
| 作成日時：2020年6月4日 14時
