もう一度恋してみませんか？２【K・N】 (ページ37)

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「いや、マジでないから。櫻井はさ、なんていうか、その…んー、うまく言えないんだけどさ、絶対に恋愛対象にはならないのよね」

ごめん雛子

本当は私とあいつは幼馴染。

だけど、それを公にしたら、社内で色々やり辛くなると困るから、取り敢えず黙っていようって櫻井との約束なんだよ。

本当は普段は翔って呼んでるけど、それも封印してるくらい。

これだけは親友の雛子にも、まだ言えないんだよ。
いつか言わなきゃなんだけど、本当ごめんね。

だから、納得いかない顔をしている雛子の耳元で

「私さぁ、昔から憧れてる人がいるんだ。
できればその人と付き合いたいの。
でも現実はなかなかうまくいかなくてね。
ずっと片思いなの。
最近はちょっと諦め気味かな。
でもやっぱり気になるんだ。
だからさ、櫻井は仲の良い同期でしかないよ」

そう伝えた。

「え？。そうなの？。それ初めて聞いたよ」

「うん、誰にも言ってないもん。だって恥ずかしいじゃない。長く片想いでいるなんてさ」

そう、私はずっと二宮和也に片想いしてるんだ。
初めて彼の小説を読んだあの日から、絶対会えるはずのない彼に恋してた。

「ごめんね。櫻井くんとAと私と、3人同期なんだけど、なんだか私だけちょっと2人から遠い気がして。変に勘ぐってちゃった。ほんとごめんなさい」

申し訳なさそうに頭を下げる雛子の話を聞いて

「雛子…。そんなふうに思ってたんだ。ごめんね。私こんな雑な性格だから誤解させちゃったんだね。なかなか性格変えられないからこのままだけど。私たち同期３人でこれからも仲良く頑張ろうね」

私の言葉を聞いて、雛子の顔に笑顔が戻った。

もしかして雛子、翔の事が好きなのかなぁ。
確かにアイツは顔も良いし仕事もできる。
対外的に見たら申し分ないやつだよね。
でも幼なじみの私からしたら、ちょっとそれヤバくない？なんてこともあって、彼氏って感じじゃないんだよね。

いつかこの話も、雛子にしなきゃいけないのかもだけど、今はとりあえず二宮和也の事で精一杯。

ほんとわけわかんないんだもん。
高校生の頃の私の想いが少しずつ崩れていく。
でも、あの素敵な恋愛小説をこれからも書いて欲しいし、読みたいんだよね。
そのために編集者になったんだもん。

そのために今頑張ってるんだよ。

でも
あのキス…

あのキスはなんだったんだろ

あんなに痺れるキス初めてだった…

まずい…

非常にまずいよ…

本当に困る…

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