もう一度恋してみませんか？２【K・N】

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45 ワガママな作家様ページ1

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ピンポーン♪

ピンポーン♪

玄関チャイム、何度か鳴らしても応答がない。
まだ寝てるのかなぁ…

ピンポーン♪

もう一度鳴らしてみたら

『うるさいなぁ。下から連絡してきたからドアは開けてあるわ。その位、機転利かせてさっさと部屋に入って鍵閉めろや！。』

二宮先生の不機嫌そうな声がインターフォン越しに聞こえてきた。

なにこれ？
なんで私が怒られなきゃいけないわけ？
私はただの編集者。
こんな風に言われる筋合いは無いんだけど。
イラッとして言い返したくなったけど、
我慢我慢！
これもお仕事だからね。
お偉い作家様のワガママなんて、今に始まったことじゃないから、原稿いただけるまでは我慢だよ。

部屋の中に入って鍵を閉めて、リビングへ向かう。
少し長めの廊下の先にあるリビングのドアを開けたら、それいつから着てるんですか？と、ツッコミたくなるようなヨレヨレのTシャツにスエット姿、寝癖で爆発した髪のままの二宮和也が、ソファーに寝転がってお腹の上にノートパソコン置いた姿でこっちを見ていた。

「すいません。遅くなりました。」

それだけ言って、スーパーの袋を床に下ろす。

『もうね、お腹ペコペコで死にそうなんだよね。あと喉も乾いてるんでね、まずはコーヒー入れてよね。』

私の顔をチラッと見ただけで、お腹の上に乗せたパソコンを器用に操作してる。

コーヒー位、自分でいれたらどうなのよ！
その態度にカチンときて、顔に出そうになったから、背中を向けてキッチンに向かう。

キッチンを見渡しても、コーヒーメーカーもドリッパーもサーバーもない。
インスタントコーヒーの瓶がポツンと置かれているだけ。
本当、何にもないんだね。
万が一にと自宅から持参したサーバーにドリッパーをセットした。
櫻井がある程度なら経費で落としていいって言ってたから、今度新しいの買ってこようかな。
毎回持って来るのは嫌だしね。
そんな事を考えながら、辺りを見渡すと。

あった！
さすがにやかんはあるのね。
お湯を沸かしてる間に、自宅から持ってきた珈琲の粉をセットして、流しに伏せてあったカップを簡単に洗い直す。

粉を蒸らして時間をかけて丁寧に入れて運んで行ったら

『全くさ、コーヒー入れるのに何分かかるわけ。インスタントをスプーンですくってカップに入れて、お湯を注いだらすぐにできるでしょう。』

ブツブツ言いながらコーヒーを口に運んで一口

『あっ…。』

二宮先生の顔色が変わった

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