壱−こんばんは、煉獄さん ページ1
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A達は、煉獄杏寿郎に会うために無限列車の中へと足を踏み入れた。切符を片手に、車内をキョロキョロと見回していると、「うまい！」と、とんでもない声量が列車内に響いた。
その声の主の元へ向かうと、大量の駅弁を食べる、炎柱 煉獄杏寿郎がいた。「うまい」「うまい」と一口食べるごとに言うものだから、さぞ美味いのだろう。
「あの…すみません」
「うまい！」
「れ、煉獄さん！」
「うまい！」
これには炭治郎も苦笑いである。それから、煉獄が駅弁を食べ終わるのを待っていた。煉獄が、最後の一口を咀嚼し飲み込んだ。
「座るといい！」
笑いながら煉獄が言う。誰がどこに座るか、を決めようと炭治郎達が話し合っていると、Aは煉獄の目の前の席に座った。それにより、炭治郎は煉獄の隣、Aの隣は禰豆子、そして善逸と伊之助は隣同士で座ることになった。
Aは、禰豆子の箱の隣でニコニコと笑っていた。炭治郎や煉獄の話を聞きながら、たまに禰豆子の箱を爪でトントンと叩くと返事が来る。それが嬉しくてたまらないようだった。
「君は日向さんの妹だと聞く！君も慈の呼吸を使うのか！」
唐突に話しかけられ、吃驚したAだった。煉獄からの質問に頷くと、「そうか！」と煉獄は言った。
「炎と水の剣士はどの時代でも、必ず柱に入っていた。炎・水・風・岩・雷が基本の呼吸だ。日向さんや君が使う慈の呼吸は水から派生していると聞く！しかし、日向さんの口からそう聞いた訳では無いから、真実かは分からない！」
Aは仁�遒慮気燃悗鵑任い觧�、初めは水の呼吸を教わった。二つとも似ているから。先に基礎を叩き込むためにそうしている。加えて、呼吸が適応する人材であるかを見極める為でもあった。Aは見事修得できたため、慈の呼吸を学んだのだ。それは義幸も同じで、彼も水の呼吸は極めてはいないが使える。
「溝口少年！君の刀は何色だ！」
「俺は竈門ですよ！色は黒です」
「黒か！それはきついな！！」
ワハハと笑う煉獄の横で、「きついんですかね」と炭治郎は言う。煉獄は前を向いているが、Aとは一切目は合わず、どこを見ているのか分からなかった。すると、スっと双眸がAに向けられた。
「君は？」
「あ、Aは＿＿＿＿」
「し、しろ、で、す」
炭治郎が、Aは話せないと言おうと口を開くと、それを遮ってAが応えた。
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作者名：僕達はエンジェル | 作成日時：2021年9月25日 14時
