第五の扉 ページ7
｢あ…ぶ……い｣
狭間の人影らしき者が何か言いたそうにこちらを見ている…
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｢狭間…今なんて…？｣
｢危ない…早くここから…逃げて…｣
狭間は途絶え途絶えに言った。
｢ボタンはないけど…その扉は…鉄じゃない…｣
｢えっ？｣
一見鉄だが、良く見るとただの岩だ。
軽石のように穴がポツポツと空いていて、どうにかすればどかせそうだ。
｢早く!!｣
麻野は心に決めた。
あの時狭間を支えられなかった分、今償おうと。
｢よし皆、あれをどかすんだ!!｣
叫んだと同時に、部屋が大きく揺れ始めた。
｢きゃああ!!!｣
藍川が珍しく叫んだ。
山咲と矢野は恐怖のあまり、腰が抜けてしまっていて立てそうもない。
｢お前はどうするんだよ!!｣
板見は、麻野を心配しているが、麻野はそんなの気にもせず、狭間と何やら話している。
｢…わかった。｣
そう一言だけ言うと、扉へ向かった。
｢板見くん、手伝ってくれ。｣
｢お、おう｣
板見と麻野は、扉を壊すために立ち上がった。
それを見た矢野も、動き出した。
｢俺にも手伝わせて。｣
そう言って3人で扉を蹴ると、あっけなく扉を塞いでいた岩が割れた。
上からガレキが降ってきて危ない。
｢早くいくよ!!!｣
矢野の声で我に帰った山咲と藍川は、扉に向かって走った。
続いて、板見、麻野、矢野と部屋を出た。
｢狭間!!!｣
｢俺は…元々死んでるから…バイバイ…｣
｢ほんとにいいのかよ!?｣
｢いいんだ…麻野…ずっとお前に言いたかった。ありがとう。｣
その一言を最後に、扉は飛んできた部屋の破片により、強制的に封じられた。
暗い通路に抜け出し五人は、ほっと一息、ため息をついた。
｢狭間…っ｣
泣き出す麻野を、矢野が慰めた。
｢大丈夫。安心して。最後聞いたでしょ？ありがとうって。｣
｢うん…｣
｢さぁ、もう次へ行こう。こんな気味の悪いところ早く出るんだ。｣
珍しく矢野がやる気になっている。
もしかすると…と思い、麻野が聞いてみた。
｢君の名前は？｣
｢何言ってるの？矢野くんは矢野くんでしょ？｣
｢話は後だ。名前を言ってくれ｣
｢僕は矢野龍尋だよ。｣
｢は！？｣
｢やっぱり…｣
麻野は矢野のことを悟り、がっくりと肩を落とし、そのまま倒れ込んでしまった。
｢麻野!!!おいしっかりしろ!!｣
｢どういうことだよ麻野!!説明しろ!!｣
どうやら矢野も自分自身のことがわかっていないらしい。
この五人はどうなってしまうのか…
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ゆーる(プロフ) - 西木野 にこさん» ありがとうございます!!コメントの返し方がわからずやっとのことで返信できました(/Д`;これからも読んでくださると嬉しいです(^^♪ (2015年6月22日 17時) (
レス) id: 39d7a499b3 (このIDを非表示/違反報告)
西木野 にこ - プリ画で見ました！この小説面白いですね。これからも読むので最新楽しみにしています。がんばってください。 (2015年5月8日 22時) (レス) id: ecb3bd9349 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーる | 作成日時：2015年5月6日 20時
